放射線測定器と線量計を選ぶための基礎知識をご紹介
放射線測定器の基本的な仕組み、使い方。校正方法、メーカー、価格、性能の違いをご紹介。
放射線測定器の原理
放射線測定器は、放射線が壁などの物質に当たるとエネルギーを放出するという基本的な性質(相互作用と呼ぶ)を利用して測定しています。
相互作用にはいろいろな種類があり、こちらで販売している放射線測定器は2タイプの相互作用を利用しています。
放射線測定器で使われる相互作用 | 具体的な現象 |
気体との相互作用 | 放射線が気体にぶつかると電子・陽イオンが出てきます。これを捕まえて放射線が気体の中を通ったことを検出します。 |
物質との相互作用 | 固体の物質でも透明な結晶の場合には、放射線が当たると結晶が光ります。これで放射線の通過を知ることができます。 |
どちらの場合でも、放射線が気体や固体中を通り抜けたかどうか知ることができます。つまり放射線の個数を数えることが可能となりますので、放射線の強さを「測定」できることにつながっています。
気体と放射線の相互作用
放射線が気体とぶつかると「電離」が起きやすくなります。
「電離」とは、マイナスの電子と、プラスの陽イオンに気体が分かれることです。 電気的に分離するというわけです。電離が発生すると、分かれたプラス、マイナスは時間経過すると、そのうちペアを見つけて電気的に±0の状態に戻ります。
気体を使った放射線測定器では、缶にガスを閉じ込めて両端に200-500V の高電圧をかけておきます。この状態で電離が起きると、 プラスの陽イオンとマイナスの電子は、それぞれ電極に引き寄せられて、電気が流れることが確認できます。
電気が流れた=放射線がガス菅を通過したという形で、放射線の個数を数えることが可能になります。
このように気体を金属管に詰めて、測定する検出器をガイガーミュラー管と呼びます。略してGM管とも書きます。
物質と放射線の相互作用
放射線はどんな物質でも相互作用しますが、透明な結晶体にぶつかると光を発する性質があります。
透明な物質が光ったら、放射線が結晶にぶつかったという形で放射線の数を数えることができます。
これは物質が光っているわけではなく、放射線が電子にエネルギーを与えて不安定な状態(励起状態)になり、その後、ふたたび安定状態(基底状態)に戻る際に光を発するという原理になっています。
この微弱な光を電気信号に変換して放射線を計測します。
結晶体のような透明な物体の場合、周りで観察すると光る様子を見ることができます。
透明な結晶体と光を検出する方法を使う検出器は、シンチレーション検出器と呼ばれています。CsI, NaIといった結晶体がよく使われています。
個人線量計と空間線量計
放射線測定器は、測定目的を考えた場合、体温計と気温計の2タイプがあります。
測定器を買う場合に、自分の目的に対してどちらが必要か考えてから選んでください。ですが、よく分からない場合には「空間線量計」の方をお勧めします。 空間線量計は高性能な製品が多く、身の回りの放射線を探すのに最も適した放射線測定器です。
- 「個人線量計」は、人間の体の被ばく量を測るという意味で「体温計」に似ています。
- 「空間線量計」は、その場所の放射線量を測るという意味で「気温計」ということができます。
どこでも持って行って測定する場合には、「空間線量計」の方が便利です。
個人線量計
個人線量計は、人間の体の被ばくを測るための放射線測定器です。
放射線の強い場所、病院、放射線管理区域、放射線に汚染された地域、除染現場で活動するといった場合に、 放射線によって自分の体がどれぐらい被ばくしたのか知るための放射線測定器です。測定対象は、人間の体になります。
製造段階で人間の体に近いプラスチックの物体の上に線量計を置いて測定値の調整をするため、 完全に人間の体専用の放射線測定器です。
個人線量計は、自分の被ばく量を測るという意味で体温計に似たものになります。
個人線量計の例
個人線量計 PM16106cm 角の小型、低消費電力のガイガーミュラー管。USB充電式、30日間の連続動作。 |
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個人線量計 PM1621M10 keV の低エネルギーX線まで測定できる高性能・個人線量計。X線検査から原子力発電所などあらゆる用途に最適。 |
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個人線量計 PM1211iPhone, Android などスマートフォンと連動できる最新モデル。24ヶ月動作できる超低消費電力、最新半導体検出器を搭載。 |
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個人線量計 PM1604A胸ポケットに止められる小型電子・個人線量計。85グラムの小型・線量計です。 |
空間線量計
空間線量計で測定できる数値は、その場所に滞在した場合、どれぐらい被ばくするか?という数値になります。 その場所の放射線の強さを測る、という点で室温計や気温計に似ています。
空間線量計は、その場所、その物の放射線の強さを調べる測定器なので、使い方としては手にもって使います。
空間線量計はテロ対策、消防、警察、原子力など幅広い用途とがあるため種類が豊富で高性能なものが多くあります。
空間線量計の例
空間線量計 PM1703MO-II BTガイガーミュラー管とCsI シンチレーション、2つの検出器を搭載。高線量から低線量までこれ一台で測定できます。 |
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空間線量計 BDG3RS485シリアル接続の開発者向け放射線測定器モジュール。プログラムから線量率、スペクトルデータをリアルタイムに取得可能。 |
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空間線量計 PM1704M核種識別サーベイメーター。放射線のエネルギー解析により、放射線を出している原子名を特定します。汚染物質の素早い特定が可能。 |
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空間線量計 PM1603A腕時計タイプの空間線量計です。積算線量機能も搭載しており、個人線量計としても利用可能。18ヶ月連続動作、完全防水タイプ。 |
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空間線量計 PM1401K3アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線、高感度汚染調査、核種識別、ベクレル測定機能など、放射線に関わるあらゆる測定をこれ1台で行えます。 |
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空間線量計 PM1405アルファ線、ベータ線、ガンマ線に対応したサーベイメーター。低価格で必要な測定を行えるモデルです。 |
個人線量計と空間線量計の違い
個人線量計と空間線量計の違いは、正直言えばほとんどありません。わずかに違う点といえば校正の方法、測定器の使い方です。
測定値の調整・確認方法
放射線測定器を製造する工場では、セシウム137(エネルギー 662keV) の放射線を照射して測定値が正しくなるように調整します。 身近な体温計でいえば、36度の体温が正しく測れるように目盛りを調整することに似ています。この目盛り(=測定値)の調整を「校正」と呼びます。 放射線測定器も体温計と同じように測定値が正しい値を示すように調整します。
機器の構造は同じ
個人線量計と空間線量計は、機器としての違いは基本的にはありません。
個人線量計は人間の被ばくを測ることが目的なので胸ポケットにいれて使うという決まりがあります。 そして胸ポケットに入れた状態で正しい測定値が出るように調整されています。
個人線量計は胸ポケットに入るぐらいに小型サイズになっています。 逆に言うと個人線量計の場合には胸ポケットに入れて使わないと、わずかですが正確な値からずれた測定値になりますが、本当にわずかな量なので気にするほどではないかと思います。
空間線量計は、手に持って使うことを想定しています。どのように持っても、地面に置いてもその場所の正しい値と考えることができます。空間線量計の方が使い勝手はよいです。
校正で行う「調整」とは、実際には測定値を何か抵抗を変えて調整するような作業ではありません。
放射線測定器は、機器の設計段階でまったく調整しなくても正しく測定できるように設計されています。そのため校正では、 設計通りに正しい値で測定できることを確認するだけになります。もし放射線を照射してみてずれていることが分かれば、部品の交換が必要になります。
個人線量計と空間線量計で、同じ場所で測定した場合の違い
低線量で使う分には測定値はほとんど同じです。
空間中に一様にあるような状況ではその差はわずか数パーセントです。
ですが線量が大きくなってくると20~30%程度の差が見える場合があります。たとえば放射線が体の前方向にたくさんあるような状況など偏りがあると人体で遮蔽される分や反射する分が出てくるため、2タイプの線量計では値に差がでます。
また本来は胸ポケットにいれて測定すべき個人線量計を手でもって使うと、これも線量が強くなると20~30%の差が見えることがあります。
ここまでは教科書的なお話ですが、実際の製品では、個人線量計と空間線量計の性能には大きな差があります。
個人線量計と空間線量計の性能の違い
個人線量計
個人線量計は人間が胸ポケットに入れて持ち運ぶことを想定しているため、小型です。小さいため持ち運びやすいのが特徴です。
毎日、業務で身につける必要がある場合には、軽い方がよいので個人線量計がお勧めです。
ですが、小さいため放射線測定器としては性能が低いです。 「性能が低い」という意味は正しく測れないという意味ではありません。個人線量計も測定値の精度は十分であり放射線をとても正しく測れます。 ですが小型の線量計は体積が小さいため放射線を捕まえる能力が小さく、測定スピードが極端に遅いのです。
実際使ってみると測定に1回の測定にとても時間かかると感じるでしょう。 個人線量計の場合、0から測定開始した場合、測定結果が確定するまでに2~5分間もかかります。 この遅い測定スピードでも身につけて人間の体の被ばくを測る目的であれば問題にはなりません。
たとえば病院で働いている人が身に着ける個人線量計の場合、職員さんは多少は移動しますが、 たいていの場合、同じ部屋、同じ建物で働いていることが多いかと思います。 1分ごとにめまぐるしく毎日動くような人はほとんどいません。そのため測定スピードの遅い小型の機器でも十分に測定することができます。
測定時間がたとえ5分かかったとしても、同じ場所にいるなら何度測定しても結果は同じだからです。個人線量計の場合には、何度も早く測る必要性がそれほどありません。
消防、警察で使う場合には、移動距離はそれなりに多くなりますが、それでも個人線量計が測定速度が遅くても、すべての活動には十分な性能があります。
空間線量計
それに対して空間線量計は、何十倍も大きく高性能な機器になっています。これは空間線量計が、テロ対策、原子力発電所、汚染地域での放射線調査に使われる用途が想定されており 専門家向けに高性能な検出器が搭載されているためです。
高性能=大きな検出器を積んでいるという意味になります。 検出器の体積が大きくなるほど放射線を捕まえる能力が高くなります。放射線測定器の能力はほとんど体積で決まっており より大きな検出器を積んでいる方が価格も高くなります。価格の差は、性能の差になっているともいえます。ですが価格が安いからといって正しく測れないことは意味していません。 Polimaster(ポリマスター)の測定器は値段にかかわらず正しく測れます。
実際に空間線量計を使ってみると空間線量計の方が1-5秒で測れるためとても測定が手軽に感じます。
車で移動しながらでも放射線の強い場所を即座に知ることができます。測定時間が短いということは、測定しながら行動できる範囲が広くなります。 広い場所でどこが放射線が強いのか探したい、大きなものを測定したい、放射線の危険がある場所に入った瞬間に警告がほしい、 といった専門的な目的がある場合には空間線量計をお勧めします。
おすすめは空間線量計
個人線量計と空間線量計をご紹介してきましたが、たろうまるで扱っている放射線測定器ではどちらの測定値も正確です。もちろん測定値も同じです。
個人線量計と空間線量計はどちらも正確ですが、とにかく初めて放射線を測ってみたい方には、性能の高い空間線量計をお勧めします。ある程度、性能の高い方を買われた方が長くお使いいただけると考えております。
どの放射線測定器を選べばよいか?
もう少し詳しく放射線測定器という製品を見ていくと、3タイプあります。
利用目的 | 機能・特徴・よい点・欠点・価格・対応機種 |
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人体の被ばくを測定 個人線量計
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身に着けた人の被ばくを測定する・軽い・低価格・測定時間は遅いが人間用には問題がない。 |
放射線が強い場所を探す 探索サーベイメーター/空間線量計
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放射線が強い場所を探す・汚染箇所を特定する・測定スピードが早い・高価格。 |
表面汚染 探索サーベイメーター/空間線量計
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アルファ線・ベータ線など専門的な調査を行う・専門知識が必要・専門家以外はお勧めしない |
簡単な選び方
- はじめて放射線測定器を購入される方、身の回りの放射線を測定してみたいという用途の場合には、探索サーベイメーター(空間線量計)がおすすめです。 理由は性能が高く放射線測定器を初めて選ぶユーザーや専門家も満足できる性能です。 測定スピードも早く、汚染された場所を探す探索機能、核種識別機能などあらゆる用途に対応できます。 性能が高いため使いやすさに満足できますし、新たに測定器を買いなおすこともありません。
- 放射線の高い場所で生活されている方や、作業をされている方は、個人線量計がおすすめです。ご自身の被ばくを長期的に監視できます。個人線量計を選ぶ方は、放射線の高い場所で 長時間活動するので、自分の被ばく量を把握したいという明確な目的ある場合です。
- それ以外の特殊な用途の場合には、ご連絡いただければ最適な機器をご紹介できます。 たとえばパソコンや組み込み機器へ測定値を取り込めるシリアル通信に対応した測定器など専門的なアドバイスが可能です。 この製品を長年に渡って取り扱っていますので測定器の目的を教えていただければ、100種類を超える機器の中から最適な製品をご紹介できます。
ここでは、最適な製品を選んでいただけるように基本的な知識をご紹介します。
個人線量計
線量計は、人が身につけ自分の体の被ばく量を測定するための測定器です。
特徴
- 軽い
- 低価格
- 被ばくの合計量(積算線量)の測定
- 測定スピードが遅い
- 24時間、1か月、数年といった長期間の合計の被ばく線量を測定できる(積算線量の機能)
個人線量計は、放射線の高いところで作業する方や、福島などの原子力災害地域で長期間活動する、あるいは暮らしていく方が使うための放射線測定器です。
小型であるゆえに搭載している検出器も小さいものです。検出器が小さいということは、放射線を捕まえる能力も低くなり測定スピードは遅くなります。
小さくて測定スピードが遅いのが個人線量計の 特徴ですが、人間の被ばくを測定するという目的の場合にはこれで十分です。
たいていの人は、一カ所で5分以上作業しますので、1カ所の測定に5分程度かかったとしても測定が遅すぎるということはないわけです。ですが、個人線量計で広い公園のあちこちを測定しようとなると無理が出てきます。個人線量計はあくまで小型で持ち運びしやすく人間の体の専用と考えてください。
測定項目
個人線量計の主な機能をご紹介します。
機能 | 内容 |
線量率の測定 | 1時間あたりのシーベルト値、単位 [Sv/h] |
積算線量の測定 | 活動中の合計のシーベルト値、単位 [Sv] |
記録 | 分単位で線量率、積算線量を記録しパソコン上でグラフ表示 |
長期の記録 | データを定期的にパソコンに移してためていくことで数年といった単位での被ばく管理が可能 |
個人線量計の特徴は、合計のシーベルト値を測定する積算線量の測定モードがあります。たとえば自宅を出るときに0にリセットして、 放射線の強い場所や、病院、放射線管理区域、原子力発電所などで作業を行い、戻ってきたときに合計の被ばく量を知ることができます。
小型であるため毎日持ち運んで、日々の生活や、特別な活動期間中の被ばく量を記録することが目的です。放射線は目に見えず、人体への影響もすぐには現れません。 そのため線量計を身に着けて被ばく量の合計を記録することが重要となります。
個人線量計の製品例
PM1610 - 6cm x 6cm の小型タイプ
個人線量計で一番のおすすめです。線量率と積算線量の測定ができます。 低価格タイプの線量計ですが、機能としてはこれで十分です。 価格が安いから測定精度が悪い、ということはありません。 Polimaster(ポリマスター)の放射線測定器は、すべて校正が行われているためどの価格帯の製品でも正しい放射線量を表示します。
PM1621MA - X線まで対応
線量率と積算線量の測定ができます。X線を扱う場合には、こちらがおすすめです。 PM1621M は、世界最高グレードの測定エネルギー範囲をもつ線量計です。 放射線のエネルギーといってもピンときませんが、ガンマ線だけではなくX線も正確に測定することができます。 X線検査、非破壊調査機器などを扱う方々に使われています。
空間線量計
空間線量計は、その場所がどれぐらいの強さの放射線がある場所か、目の前の物体からどれぐらいの放射線が出ているのか?、という値を測定します。
測定対象がなんでもよい、、という意味では、空間線量計は一番、利用しやすい放射線測定器と言えます。
特徴
- 高機能
- 測定スピードが早い
- 高機能であるため高価格帯
- サイズはやや大きい
- シーベルト値の線量率を測るだけではなく物質の識別ができるタイプもある
- 被ばくの合計量である積算線量は通常は測定できない
空間線量計は利用者として想定されている人たちは警察・消防・税関・原子力発電所などの専門家です。 そのため各製品が高機能・高感度化しています。
搭載されている放射線検出器も大型なものが多く放射線を捕まえる能力を最大限高くしてあり短時間での測定が可能です。
個人線量計の場合には、測定開始から完了まで5分程度かかりますが、高感度な空間線量計の場合には、測定は2-3秒で完了します。 これは体積の大きな検出器を積んでいるため、放射線を捕まえる能力がとても高く、測定を短時間で行えます。そのため広い範囲をあちこちと短時間で測定できます。
測定項目
製品によってできることに差がありますが、空間線量計の主な機能をご紹介します。
機能 | 内容 |
線量率の測定 | 1時間あたりのシーベルト値、単位 [Sv/h] |
探索機能 | 放射線の強い場所をピンポイントで探す |
核種識別 | 放射線を出している元素名を特定できる |
スペクトル | 放射線のエネルギーごとの強さを表示する |
地図を作る | スマートフォンや Google Map と連動した測定を行い測定マップを作る |
シリアル接続 | 外部シリアル接続により測定データをパソコンやスマートフォンに転送する開発者向けの機能 |
空間線量計には、携帯電話程度の大きさから、航空機に搭載する大型なものまで様々な大きさがあります。
基本的には、大きい方が高性能です。これは単純に体積が大きい方が放射線を捕まえやすい、という単純な理由です。
大きな検出器は性能が高くて使いやすいのは事実ですが、体積の大きな検出器は価格も高くなります。
空間線量計の製品例
PM1211 - スマホ接続タイプ
スマートフォン+Google マップと連動した測定ができる空間線量計です。 軽量・小型・低価格タイプで、iPhone,Android の無料アプリを使って、測定地図ができるモデルです。 検出器のサイズは小さいため測定スピードはそれほど早くありませんが、歩いて測定する分には十分な速度です。
PM1703MO-II BT - 高感度スマホ接続タイプ
大型シンチレーション検出器を搭載した高感度・スマホタイプ空間線量計です。 測定スピードが速いため、車での移動、ドローンへの搭載などあらゆる用途に利用することができます。 マイクロシーベルト単位の線量率の測定と、積算線量計も搭載しており個人線量計としても利用できます。
探索の機能
探索機能は、おすすめの機能です。
この機能は探索サーベイメーター(空間線量計)に搭載されています。放射線の強い場所を見つけたい、高線量な放射線に近づいたときに数秒で警告を出すことが可能です。
探索という機能は、目に見えない放射線の強さを、アラーム音の強さで知らせる機能です。 音の強さを頼りにして体感的に放射線の強い場所を知ることができます。
放射線の強い場所を知ることができれば、避けることもできますし、どこを除染すれば最も効果的なのかを知ることができます。
警察、消防など原子力災害の場所で活動する場合には、あらかじめ放射線が高い場所が分かっていると安全な範囲を確認しやすくなります。
ここが基準となり、これより高いところで警告音が鳴るように自動設定されます。
放射線の強い場所では、警告音が強くなり放射線の強さ体感できます。
音の強さ=放射線の強さとして感じることができます。
放射線量の高い場所を測定器に再度、記憶させます。ここが新しい基準となってさらに放射線の強い場所だけで警告音が鳴ります。
再び歩き回って高線量な場所を探すことで、最も放射線に汚染された場所を特定することができます。
探索機能の便利な警告機能
すべての放射線測定器には、警告アラームがついています。たとえば 10μSv/h以上になったら警告音が鳴る、といった設定ができます。
ですが、このタイプの警告設定は、当たり前ですが10μSv/h以下ではまったく警告音が鳴りません。
特に放射線汚染のある場所に初めていくような状況では、一定値で警告が鳴る機能はまったく役に立ちません。 放射線汚染がある場所にいく場合、事前にどれだけの放射線があるのか分からないはずです。そのため 警告値を設定しておくタイプの警告アラームは鳴るか鳴らないか、分からないわけです。
探索機能で使われている警告アラームは、自分で設定する必要はありません。おおよそ今の放射線量の1.5倍程度で音が鳴るようになっています。 そのためちょっと線量の高いところに近づくと、すぐに警告されます。 警告音が何度もなってうるさく感じる場合には、ボタンを押して音を止めるか、その場所を基準値として記憶させることで、さらに高い場所でしか鳴らなくなります。
放射線が高くて、行ったことがない場所にいく場合には、自動で警告値を設定する方が、 放射線の強い場所を適切に警告してくれると感じることができます。
探索機能のアラームは、こちらの動画でも紹介されています
探索機能を搭載したサーベイメーター
PM1703MO-II BT
MOタイプは、個人線量計の機能である積算線量の測定ができるサーベイメーターです。 高感度な大型検出器を搭載しており、汚染された場所を素早く特定することができます。 積算線量の測定もできるため、一番おすすめできる機種です。
PM1704M
こちらも探索機能を搭載しています。最大の特徴は、放射線の解析機能があり放射線を出している物質名を特定できます。 放射線を出している物質名が分かれば、医療機器からの漏洩なのか、原子力事故なのか、それとも核物質の持ち出しなのかなどを 特定することができます。
PM1703MA-II BT
MAタイプは、積算線量測定がついていません。こちらは探索機能だけがあるサーベイメーターです。 高感度な大型検出器を搭載しており、汚染された場所を素早く特定することができます。 こちらも放射線があるかないかすばやく調べるには最適な機種です。
PM1401K3
アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線のすべての放射線で探索機能を使うことができる多目的サーベイメーターです。 放射線の解析機能により物質の特定もできますし、食品や土壌などの一定体積に含まれる放射能(ベクレル数)の計測まで行うことができます。
放射線測定器の校正
校正とは、測定器の性能を維持するための定期点検です。
放射線の測定は、人間の健康などに関わる重要な測定値です。測定値が正しいかどうか、 定期的に検査をして測定値の精度を維持する必要があります。
実際の校正作業では、あらかじめ強さの分かっている基準の放射線を照射します。 放射線測定器に表示される測定値が、一定の範囲内に収まっていることを確認します。 この結果が一定の誤差を外れてた場合には、 内部の部品を新品に交換して再度、テストを行います。
校正の内容
- 放射線測定器の校正・点検項目
- 外観、ケース、クリップ等の点検
- 液晶、LEDなどの表示部の点検
- すべての動作機能の点検
- 探索モード時の誤検出アラーム頻度が基準以下かどうかの検査
- アラーム機能の検査
- 温度変化に対する動作
- 各動作モードの時間経過時の動作
- 消費電流
- 検出器の感度検査 *
- 線量率の偏差検査
- スペクトル校正 *
- エネルギー校正検査 *
* 一部機種のみの検査内容
測定器を購入してからどれぐらいで再校正すべきか?
実は、これには決まった基準はありません。
ですが、測定器を何年も使っていて測定値は表示されているが、実は故障していた、、ということはあり得ます。放射線を測定する目的は、 作業者する人の被ばく量を知って、放射線による被ばくを下げることにあります。数字が画面に出るからといって故障している測定器を 使うことだけは避けたい状況です。
メーカーによる校正・点検では、測定器に放射線を照射して測定値が正しくでるか確認し、必要な場合には部品交換を行います。 以下の基準で校正点検されることをおすすめしています。
校正を行う頻度 | 対象となるユーザー |
毎年、校正する必要があるケース |
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2-3年おき校正する必要があるケース |
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校正しない | 校正しない、という場合でも故障せずに正しく動作します。ですが、もし故障していても気がつかないことがあるため校正しないという選択肢は基本的にはありません。 |
国民生活センターでの放射線測定器の評価
国民生活センターでは、市販されているデジタル式個人線量計をJIS規格に基づいて抜き打ち検査を実施しました。個人線量計のテストを実施しました。 このテストでは、たろうまるの線量計が正確な線量値を表示できることが高く評価されています。
Polimaster(ポリマスター) 製品は、チェルノブイリ事故、そして米国海軍に数多く採用された実績があり、世界的にも高い評価を受けている個人線量計、放射線測定器、サーベイメーターです。
放射線測定器の検査結果はこちらで、ご覧いただけます。
表面汚染・サーベイメーター
アルファ線、ベータ線を測定できる表面汚染用のサーベイメーターをご紹介します。
こちらの表面汚染サーベイメーターは、一般ユーザーにはお勧めしません。 アルファ線、ベータ線は放射線のエネルギーが強く飲み込んだりした場合の内部被ばくが大きいため測定したい、という要望はあります。 ですが実際の測定は簡単ではなく、一般のユーザーが行うことはお勧めしません。
ガンマ線に対する被ばくの基準
一般のユーザーの方は、ガンマ線の測定器(空間線量計)を使って放射線を測定することをお勧めします。 理由は測定も簡単ですし、一般ユーザー向けに国も明確な被ばく基準を決めています。 国が示す基準があれば、自分で測定してみて危険かどうか判断できます。
マイクロシーベルトであれば、新聞にも載っていますので、他の地域と比較して安全かどうか判断できます。 測定しやすく、基準が明確であることは放射線を測定する上でとても重要です。
アルファ線、ベータ線に対する人間の被ばくの基準
実はアルファ線、ベータ線に対する人体への被ばくの基準はありません。
アルファ線、ベータ線などの表面汚染に対して決められている基準は、 床や衣服についた時の放射線の汚れに対する基準だけになります。これは一般向けユーザー向けではなく、 放射線を扱っている施設や放射線を運搬する業者向けの基準になっています。
表面汚染の基準を定めた法律等
これらの法律では、以下の基準が使われています。これだけしかありません。人間に対する基準というよりはこれ以上、放射線で汚してはいけないという基準になっています。
放射性物質の区分 | 表面密度 |
---|---|
アルファ線を放出する放射性物質 | 四ベクレル毎平方センチメートル |
アルファ線を放出しない放射性物質 | 四十ベクレル毎平方センチメートル |
アルファ線、ベータ線サーベイメーター
PM1405
アルファ線、ベータ線、ガンマ線の3種に対応できる表面汚染サーベイメーターです。 ガンマ線に対しては、137Cs に換算した数値として Bq/cm2 での測定が可能です。
低価格で必要な測定を行うことができます。
PM1401K3
アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線のすべての放射線で探索機能を使うことができる多目的サーベイメーターです。 アルファ線、ベータ線、ガンマ線の3種に対応できる表面汚染サーベイメーターです。 ガンマ線に対しては、137Cs に換算した数値として Bq/cm2 での測定が可能です。
AT2522
アルファ線にだけ応答するZnS(Ag) 高感度シンチレーション検出器を搭載したアルファ線・サーベイメーターです。 アルファ線の汚染箇所をすばやく特定することができます。食品に含まれるポロニウム210の検出を目的とした機器です。
BDPA3
こちらは大型タイプのZnS(Ag) 高感度シンチレーション検出器です。ガンマ線、ベータ線には応答せず アルファ線を直接検出できる仕組みであるため、アルファ線の汚染を短時間で見つけることができます。
防水性能・IP表記
放射線測定器は、屋外で使うことが多いためしっかりとした防水機能があるものを選ぶ方がよいです。
防水性能は、IP表記(IEC 60529, JIS C0920 等)で記載されます。IP表記を知ることで、どの程度、防水の強さがあるのか知ることができます。
IP表記は、2つの数字の組み合わせです。防水は、第2特性の数字で知ることができます。
第1特性
こちらは機器の中に埃・塵がどれだけ入りにくいかを示しています。 電子機器の場合、たいていは十分な保護がありますので第1特性はあまり心配しなくてもよいかと 思います。
数字 | 埃の入りにくさ | |
---|---|---|
0 | 保護なし | |
1 | 直径50 mm以上の固形物が入らないように保護 | |
2 | 直径12.5 mm以上の固形物が入らないように保護 | |
3 | 直径2.5 mm以上の固形物が入らないように保護 | |
4 | 直径1.0 mm以上の固形物が入らないように保護 | |
5 | 塵埃の侵入を完全に防止できないが電子機器の動作には問題がない | |
6 | 塵埃の侵入がない |
第2特性
防水を示す数値です。5以上があれば通常の使用では十分です。長時間、雨に濡れるような使い方の場合には、6,7,8程度の防水が必要です。
数字 | 水の入りにくさ | |
---|---|---|
0 | 無保護 | |
1 | 鉛直に落下する水滴が入らない | |
2 | 15度以内で傾斜しても鉛直に落下する水滴が入らない | |
3 | 鉛直から両側に60度までの角度で噴霧した水によって機器が影響を受けない | |
4 | あらゆる方向からの水の飛まつによって機器が影響を受けない | |
5 | あらゆる方向からのノズルによる噴流水機器が影響を受けない | |
6 | 強力なジェット噴流水による噴流水によっても機器が影響を受けない | |
7 | 一時的に水中に沈めた場合でも機器が影響を受けない | |
8 | 継続的に水中に沈めた場合でも機器が影響を受けない |
放射線測定器の防水性能
連続して使用できる時間
Polimaster(ポリマスター)の放射線測定器は、低消費電流で稼働時間がとても長いことが特徴です。
小さなボタン電池だけで24ヶ月動作するタイプもあります。
PM1211
ボタン電池 CR2450 1個で24ヶ月動作する空間線量計です。
PM1621MA
単三電池1個で12ヶ月動作します。こちらは個人線量計です。
PM1603A
ボタン電池 CR2023 1個で9ヶ月動作します。こちらは空間線量計です。
PM1610
こちらは充電方式です。1回の充電で30日間動作します。こちらは個人線量計です。
放射線測定器のメーカー
たろうまるで取り扱っているメーカーは、Polimaster と Atomtexです。
ここでは国内外の他の放射線測定器メーカーの一覧をご紹介します。それぞれ特徴のある製品がありますが、国内で一流の放射線測定器メーカーは、 日立アロカと 富士電機さんと個人的には考えています。 この2社であれば、公開された仕様・カタログスペックから満足できる仕様かどうか判断できます。他の測定器は、個人的にはお勧めしません。
放射線測定器の価格と性能
放射線測定器の価格と性能には、一定の関係があります。
高価格=高性能=使いやすいのは事実ですが、目的に応じて最適な機器を選ぶことが重要です。必要以上に高価格な製品を選ぶ必要はありません。
放射線測定器のたろうまるで取り扱っている製品は、価格が低くても、高くても測定値は同じです。精度もほぼ同じです。
正しい放射線を測るという点では、すべての製品は同じです。
放射線測定器の価格 | 性能 |
価格が高い | 早く測れる、測定時間が短い、大きな検出器を積んでいる、高感度 |
価格が低い | 測定スピードが遅い、個人線量計なので早く測る必要がない、検出器が小さい、低感度 |
測定スピード
製品の価格と比例して違いが分かるのは、測定スピードです。
高価格な放射線測定器が必要なケース
価格が高いものは、大きな検出器を搭載しており、放射線をより多く捕まえる能力(=高感度)があります。 放射線測定器を持って汚染地域に出かける場合を想定した場合、車にのってあちこちへ移動するなら測定スピードは早い方がよいです。こういった用途の場合には、価格の高い測定器を購入した方がよいです。
- 車に乗っていろいろなところに移動する
- 常に持ち歩いて危険があったら即座に警告が欲しい
- いろいろな表面の放射線を測ってみたい
低価格な放射線測定器でも十分なことができるケース
低価格の放射線測定器は、校正が行われていれば、測定値自体は高価格帯とまったく変わりません。測定スピードが少し遅いだけなので、1か所で2~5分ほど待てば、正しい放射線を測ることができます。
- 個人で使う場合
- いろいろなところに持ち運び測定したいけど、どこまで使いこなせるか分からない
- 自分の被ばく・人間の被ばくを測りたい場合
性能と価格のバランスがよい放射線測定器
すべての測定器をよく使ってみた個人的な感想ですが、PM1621M は価格もそれほど高くなく高性能であるためバランスがよいと思っています。
PM1621MA
完全防水、世界最高クラスのエネルギー範囲、電池1本で12か月動作、そこそこ高感度。お勧めのサーベイメーターです。
放射線測定器のレンタル
こちらたろうまるでは、放射線測定器のレンタルはありません。こちらの会社をご紹介することができます。
株式会社レックス
放射線測定器のレンタルといえば、レックスさんが有名です。
日立アロカの電離箱サーベイメーターや、海外メーカーの RadEye まで多彩な製品をレンタルできるようです。
一番、使ってみたいのはやはり昔、実験室で使った TCS-172Bですね。後継機種の TCS-173C の一つ前の世代のようですが、国内では定評がある機器です。
MEASURE WORKS株式会社
ちょっと機種は少なくなっていますが、この中ではInspector Alert V2 がお気に入りです。
汚染地域に行く場合でもこれがあれば十分かと思います。
Inspectorは、アルファ線、ベータ線にも対応していますが、アルファ線、ベータ線は測った後でどういった国の基準と比べるのか?という点が難しいです。ガンマ線は新聞等でも取り上げられているため国の基準がわかりやすいのですが、アルファ線、ベータ線はこのあたりが一般の人には少しわかりづらいところです。
株式会社メジャー
こちらでも日立アロカのTCS-172Bがレンタルできますね。
時定数などちょっと一般の方には難しい概念がある機器が定評のある機器です。レンタルする場合にはよく使い方を聞いて使うのがよいかと思います。
株式会社日本遮蔽技研
この中ならダントツで「ホットスポットファインダー」です。
ホットスポットファインダーは、歩きながら、あるいは車で走行サーベイしながら、つまり放射線測定を行いながらリアルタイムに地図上で線量の高い場所を探していくような機器です。
オリックスレンタル
さすがオリックスレンタルさんは、 マニアックな機器をそろえています。
個人的には、NHC7がおすすめです。 結構大きなシンチレーションを搭載しているため金額も高い機器になりますね。
原電ビジネスサービス株式会社
原電ビジネスサービスさんは、原子力発電所設備の保守・修繕・設計などにかかわっている会社さんです。放射線測定器のレンタル用に取り揃えている機種も 専門家向けの高額機種が並んでいます。
すべて日立アロカ社製の機器ですので、このメーカーにこだわるならここがおすすめですね。
放射能汚染された物、場所、表面の探索
測定器がどれぐらいの範囲の汚染源を探索できるのか? 適切な測定器を選ぶには、ガンマ線とベータ線の違いや、測定器の性能を理解する必要があります。
表面汚染や、局所的な汚染を知りたい
ベータ線は、空気中を1メートル程度しか、飛ばないという性質です。物を透過する能力が弱いため、物の表面に付着した物だけを測定することが可能です。
せいぜい1メートルという狭い範囲で、汚染場所を特定したい場合には、ベータ線による測定を行うのが効果的です。汚染されたものがきれいに除染や、掃除ができたか、測定することができます。机や、車のボディ、車のシート、廊下などかなり狭い範囲が測定対象となります。対応機種はPM1405です。
セシウムとストロンチウム
福島第一原子力発電所の事故では、大量のセシウムが地表に落ちました。それぞれの物質が放出する放射線の特徴を理解しておくことも測定器選びには重要です。
ガンマ線 | ベータ線 | |
---|---|---|
セシウム | ||
ストロンチウム |
通常はガンマ線だけを測定する方が便利です。ガンマ線の測定単位は μSv/h です。行政も数値を公開しているので、他地域との比較がやりやすいのが特徴です。
ベータ線の測定単位は、1cm x 1cm の中から1分間に放出される放射線の個数の単位。シーベルト単位ではなく、個数で他地域と比較します。
放射線測定器の使い方
PM1610 は、人の被ばく量を把握したり、公園や自宅などの環境測定を行います。
毎日の生活や、移動中の被ばく量を1分ごとに記録します。あなたや大切な家族の線量を正確に測定し、把握することができます。
測定単位は「シーベルト」です。 屋内、公園、学校、医療現場、職場など、それぞれの環境の放射線の差を知るための放射線の測定器としても利用できます。
一方で PM1610 では食品のような線量がとても低い物は、測ることができません。 ですが、放射性物質に汚染された表土など線量の高いものであれば PM1610 を近づけていくほど、値が高くなる傾向を見ることができます。
またUSBでパソコンに接続すれば1分おきに記録された1日の線量をグラフで見ることができます。どこに居たときが線量が高いのか、詳しい調査を行うことができます。
わずか6センチ角、80グラムの最小・最軽量の測定器なので、毎日身につけることができます。ボタンを押すと、今の放射線量、利用開始からの積算での放射線量が交互に表示される簡単な操作が特徴です。
シンチレーション検出器で 0.25 秒の高速測定を実現する PM1703Mシリーズ
シンチレーション計測器は、何段にも連なった増幅器です。入射したわずかな放射線を何倍にも増幅して検出できるため、低い線量でも正確な測定値をわずか 0.25 秒で表示できます。
高速な測定は、除染作業を大幅に効率化します。建物や自宅周りの庭など、測定器を持ち、人が歩く速さで移動しても、常に信頼性ある正確な値を表示できます。
放射線源の探索モードも搭載し、線源の高い方向をアラーム音で誘導し、身の回りに潜むホットスポットを探すことができます。除染作業、環境や物などの放射線測定をサポートします。
放射線測定器
PM1405 はベータ線測定で狭い範囲の物や表面を測定します。
ベータ線は、空気中をわずかな距離(1メートル程)しか飛ぶことができません。
サーベイメーターPM1405は、この性質を利用することで、狭い範囲の放射線汚染の状況や、表面についた汚染物質を調べることが出来ます。
測定は2段階に分けて行われます。第1段階では、環境中の背景にある放射線と目の前にある物体からの放射線(ガンマ線+ベータ線)を測定します。 続いて第2段階では、ガンマ線だけを測定します。
2つの測定結果の差を計算し、背景となるガンマ線を取り除き、目の前の物体から放射されているベータ線だけをより正確に測定します。2段階測定法により、目の前の物体の汚染状況を正確な調査を実現しています。
例えば PM1405 を使うことで、表土、外壁、食品であればお茶、しいたけなど比較的線量の高い物であれば、それぞれの物の差をはっきりと知ることができます。一方で、市販のきれいな野菜などは線量が低すぎるため、ベータ線は0と表示され測定はできません。
サーベイメーター PM1405 は、ベータ線の特徴を利用して、狭い範囲つまり目の前の物体の表面汚染を知ることができます。
医療・放射線測定器, X線の測定
医療機器には、放射性同位元素以外にX線が使われています。X線は、ガンマ線よりも低いエネルギーです。 X線を正しく測定するには、低エネルギーに対応した放射線測定器が必要です。
X線測定に対応できる測定器を3機種、ご紹介いたします。
食品の放射線測定
食品に含まれる放射線は、わずかです。
実際スーパーで売っている食品をハンディタイプの放射線測定器で 測定しても、まったく応答しません。0.01µSv/h さえも数値の変化を見ることはできません。
厚生労働省が定める日本の食品に対する放射線基準値は、100 Bq/kg です。このレベルの放射線をハンディタイプの測定器で測定してもなんの応答も得られません。 さらに日本の食品基準値の5倍の 500 Bq/kg 程度であれば応答するか?といえば、実はこれでも応答はまったく見られません。
たとえ日本の食品基準値の5倍程度の 500 Bq/kg であっても、実は身の回りのコンクリートや建材に含まれる放射線の方が圧倒的に放射線が強いのです。 コンクリートの基礎の家に建てられた住宅の室内で、果物の放射線を測定しようとしても果物を測っているつもりが実はコンクリートを測定している、、ということはよくあることです。
食品の中の放射線を測定するには、食品専用の放射線測定器を利用する必要があります。
食品専用の放射線測定器は、鉛容器の中に放射線検知器が入っています。つまり周りのコンクリートや建材からの放射線を遮断して、食品だけの放射線を測ることができる仕組みになっています。
食品・放射線測定器 PM1406 - 20mm 鉛容器セット
家庭で使える食品・放射線測定器です。測定頻度が少ない場合には、こちらの20mm 鉛容器セットがおすすめです。
食品・放射線測定器 PM1406 - 50mm 鉛容器セット
こちらは50mm の大型・鉛容器セットです。大きな鉛容器を使うと周りコンクリートなどの放射線を遮断する量が増えるため、結果的に測定時間が短縮されます。研究機関や農家など何度も測定を行うユーザーに向いています。
参考リンク
食品の放射線測定
空間線量の測定
- 文部科学省・日本原子力研究開発機構:「放射線測定に関するガイドライン」
- 一般社団法人日本電気計測器工業会 「簡易な環境放射線測定に関するガイドライン」
- 一般社団法人日本電気計測器工業会:「放射線測定機器の性能チェックシート」