食品の放射線を測定する
約60~10分間で判定
食材をセットして、100 Bq/kg の食品基準値より低いかどうか、約60~10分間で判定します。
より厳しい基準の50 Bq/kg なら約2~1時間、10 Bq/kg の飲料水の基準であれば、約10~3時間で判定できます。
50mmの鉛容器を使えば、測定時間は短くすることができます。
簡単な操作
PM1406は、誰でも簡単に使うことができる飲料水と食品のための放射線測定器です。
食材に含まれている微量の放射線を、ベクレル単位(Bq/kg)で測定して、日本の食品の基準値と比較し判定を行います。
操作は食材を容器に入れて、ボタンを押すだけの簡単操作です。測定器と容器のお掃除の後には、清潔度チェック機能が便利です。
測定下限値 4 Bq/kg
超高感度シンチレーション検出器を搭載した PM1406 は、日本の食品基準値に対応した セシウム134, 137 の判定に加えて、カリウム40 の核種を判定できるベクレルモニターです。
測定結果は、食品別にパソコンに保存できます。詳細な分析ができるスペクトルファイルも出力でき、より専門的な分析を行うことが可能です。
国際規格 IEC61563 対応。
食品・飲料水用の放射線測定器 PM1406は、関東や福島県内、その他の行政機関などにも実際に採用されたモデルです。
保育園、幼稚園、医療機関、研究機関、大学、自治体などで採用されています。
持ち運びしやすい小型タイプで、食品中のわずかな放射線に対しても高精度での測定ができます。
10 Bq/kg からの食品・飲料水の放射線を測定
99%の高い精度での基準値判定
PM1406は、超高感度シンチレーション検出器を搭載した食品と飲料水のためのベクレルモニターです。
測定器本体に加えて、Windows パソコンが1台必要になります。測定器とパソコンを接続し、付属ソフトウェアで操作する仕組みになっています。ソフトウェアの案内どおりに操作するだけで、食材・水・乳幼児食品など、どなたでも簡単に測定が出来ます。
日本の食品基準値には、3タイプありますが、水から食品まですべての基準値に対応した測定ができます。
- 10 Bq/kg 水
- 50 Bq/kg 乳幼児食品・牛乳
- 100 Bq/kg 食品
基準値よりも、測定する食品の放射線量が低いかどうか判定する際に、PM1406 では食材の安全を より安心な方向で確かめるために誤判定の可能性を1%以下にできる判定方法を採用しています。
日本の食品基準値に対応
PM1406 のソフトウェアには、魚、肉、野菜、果物、お菓子、卵、牛乳、ビールなど70種類の食材と、それぞれの食品基準値が登録されています。ソフトウェアから測定する食材を選択してスタートボタンを押すと、基準値より低いかどうかの判定を行います。
たとえば 100 Bq/kg よりも高いか低いかの判定の場合であれば、測定完了までの時間は約10分です。50 Bq/kg の判定の場合には30分程度で判定できます。10 Bq/kg の飲料水の場合には約2-4時間です。
50mm の大型鉛容器を使う場合では、測定時間はさらに 1/3 に短縮されますので、効率的な測定が行えます。
PM1406 では、最小 125ml の食材でも放射線測定が行えますので一般家庭で利用される場合でも少ない食材で放射線の安全を確認できるようになっています。
はじめての食品の放射線測定
測定器を、収納ケースから取り出してください。
測定器を中に入れて、鉛容器(3段)を組み立てます。
測定器設置場所の周りの放射線量を測ります。鉛遮蔽容器の中に測定器と空のマリネリ容器をセットし、ソフトウェアの背景放射線の測定をスタートします。
食材を用意して測定器にセットします。 食材は、隙間なく詰め込む必要があります。出来るだけ小さく切ってください。
ソフトウェアから食材を選び、 測定スタートを押します。 残り時間が表示されます。
基準値と比較を行い、測定器の誤差を含めて、基準値以下であれば「クリア」と表示されます。 それ以上の場合には、「基準値以上」の警告が表示されます。
パソコンからの操作で測定します。
Windows アプリ
食品用の放射線測定器(ベクレルモニター)PM1406 は、パソコンとUSB接続で利用します。付属のソフトウェアを利用して測定を行います。
鉛容器による測定時間の比較
飲料水 10 Bq/kg など低い放射線量を測定するには、50mm 厚の鉛容器がおすすめです。50mm厚の鉛容器は、20mm厚の鉛容器と比較し測定時間が約 1/3 になります。
表に記載された室内線量の目安よりも高くなると、測定時間が長くなります。
鉛による遮蔽厚 | 20mm | 50mm |
---|---|---|
写真 | ||
室内線量の目安 より高い線量の場所でも使うことはできますが、少しずつ測定時間が長くなります。 |
0.15 μSv/h まで | 0.90 μSv/h まで |
重さ |
|
|
達成できる最小の測定下限値 | 4 Bq/kg | 4 Bq/kg |
基準値 100 Bq/kg での判定時間 | 約 60~20 分 | 約 60~20 分 |
基準値 50 Bq/kg での判定時間 | 約 3~1 時間 | 約 2~1 時間 |
基準値 10 Bq/kg での判定時間 | 約 10~3 時間 | 約 3~1 時間 |
測定時間と食材の放射線量
測定が完了するまでの時間は、食材に含まれている放射線量が高いほど早くなります。
一方で、食材に放射線がほとんど入っていないようなケース( 例: セシウム 4 Bq/kg 未満 ) といった場合では、測定器に放射線が、ほとんど入ってこない事になります。この場合には、測定器は、わずかな放射線量を正確に測定するために、放射線が出てくるまで、時間をかけて待つ必要がでてきます。そのため、放射線量が低い食材の場合では、測定時間がカタログ等に記載された数字以上に長くなる場合があります。
こういったケースでは、20mm容器、50mm容器のどちらの場合でも、10~20時間以上の長い測定時間になる場合があります。
基準値と測定時間
食材の放射線量が十分に大きい場合でも、食品基準値と、食品自体の放射線量が近い場合には、基準値よりも上なのか、下なのか、見極めが微妙な場合には、測定時間が長くなる場合があります。
具体的には、たとえば、食品の基準値を10 Bq/kg としておいた場合に、野菜を測定した結果、測定値が 5 Bq/kg ± 8 Bq/kg という形の誤差範囲の場合には、誤差の上限値は、5+8=13 Bq/kg になります。この場合、基準値 10 Bq/kg と非常に近い状態にあります。時間をかけた測定をすれば、もしかすると、基準値 10 Bq/kg を下回るかもしれません。逆に上回るかもしれません。こういった微妙な場合にも、測定時間が急に長くなる場合があります。
実測定時間テスト
鉛容器の違いで、どの程度、測定時間が実際に異なるのか、テストしてみました。
今回、何も測定物を入れずに、空の状態でも測定しています。空の状態での測定は、放射線を出す物が何もない状態ですから、測定器にとっては、測定する物がないということで、測定に時間がかかるとても長くなる厳しい条件設定になっています。
PM1406に設定した判定基準値 | 測定項目 | 鉛容器のサイズ | 測定時間 | セシウム測定結果 | 測定誤差 |
---|---|---|---|---|---|
10 Bq/kg | 何も入れずに空で測定。 | 50 mm厚 | 3時間31分 | 1 Bq/kg | ±4 Bq/kg |
20 mm厚 | 10時間08分 | 5 Bq/kg | ±4 Bq/kg | ||
10 Bq/kg | 東京都飲料水 | 50 mm厚 | 3時間25分 | 1 Bq/kg | ±4 Bq/kg |
20 mm厚 | 9時間57分 | 1 Bq/kg | ±4 Bq/kg | ||
10 Bq/kg | 59.89 Bq/kg の線源 | 50 mm厚 | 3時間25分 | 60 Bq/kg | ±13 Bq/kg |
20 mm厚 | 10時間00分 | 61 Bq/kg | ±13 Bq/kg |
利用した 59.89 Bq/kg の放射線源は、日本アイソトープ協会が制作した PM1406 のマリネリ容器サイズに特注した放射線源です。
実際の測定時間は、食材に含まれている放射線の量によって、より早くなる場合もありますし、判定値と近い場合には、より長くなる場合もあります。
実際に、お米を測定してみます。
周りの放射線(背景放射線量)を測定します。
何も入っていない状態で、背景の放射線量を測定します。この作業は最初に1度だけ行えばよい作業です。
測定器は、背景放射線量の値を記憶します。食品を測るときには周りの放射線量を差し引くので、純粋に食品に含まれる放射線量が計算できる仕組みになっています。
食品の重さを、測定器に入力します。
今回は、お米(434グラム)を測定しました。
ソフトウェアには、いろいろな食材の画像と日本の基準値が入っています。
画像を選択すれば、基準値が設定されます。基準値を自由に設定できる測定モードもありますので 10 [Bq/kg] ~ 100,000 [Bq/kg] の範囲で、基準値を設定した測定を行うこともできます。
食材を測定器にセットして、スタートボタンを押します。
今回のお米の測定では、日本の基準値(しきい値) 100 [Bq/kg] より低いかどうかの判定を行いました。
緑色が「測定値」です。青は、「誤差」。赤は今回設定した「食品基準値」です。
測定結果の読み方
放射線測定には、「ばらつき」があります。
ある食品に含まれる放射線量が 50 Bq/kg の場合でも、測るたびに、測定値が50 [Bq/kg]を中心として、前後にばらつく場合があるのです。これは、放射線が出たり出なかったり、という性質を持っているためです。
そのため測定値のばらつきの上限値、下の図の場合だと、50+35 = 85[Bq/kg] が、食品の基準値 100 Bq/kg よりも、低いと判断できることが重要になります。
いろいろな測定結果
測定時間を長くすれば、誤差範囲が狭くなります。より正確な放射線量が分かるわけです。
逆に、短時間の測定の場合には、ばらつきの範囲が大きくなります。
ですが、この場合でも基準値よりも十分低いことが分かります。
ばらつきの範囲が大きい場合、中心の値から、かなりばらつく可能性があるわけなので、中心の値(測定値)が、正確な食品の放射線量を示していない可能性があります。ですが、それでも食品を測定する目的は、基準値より低いかどうかの確認ですので、これで十分な測定結果と言えます。
PM1406では、99%の確率で誤差とばらつきの範囲の上限が、基準値より低い場合、クリア判定を出すように設計されており、誰でも簡単に精度の高い食材測定が行えるようになっています。
日本の新しい食品に対する放射線基準値
食品 | 暫定基準値 [Bq/kg] | 新基準 [Bq/kg] |
---|---|---|
水 | 200 | 10 |
牛乳・乳製品 | 200 | 50 |
乳幼児食品 | - | 50 |
野菜 | 500 | 100 |
穀物 | ||
魚・肉・卵 |
食品衛生法
東京電力 福島第一原子力発電所での事故により、肉、魚、野菜、きのこ類など、広範囲の食品に放射性物質が含まれる事態となっています。
事故から約1年間は、暫定の値として 500 Bq/kg(1kg あたり 500 ベクレル)が食品に対しての安全基準値となっていました。
その後、食品安全委員会における放射性物質の食品健康影響評価や、厚生労働省薬事・食品衛生審議会の答申を受けて、2012年4月1日より食品衛生法(昭和22年法律第233号)の規格基準値が、表のように改正されました。新基準では一般食品は 100 Bq/kg 以下、乳幼児食品は 50 Bq/kg という規制値です。
なぜ、食品が 100 Bq/kg なのか?
放射性物質のうち、セシウムだけが規制の対象となっており、基準値になっています。
福島原発事故から放出された放射性物質のうち、半減期が1年以上の放射性物質には、セシウム134, セシウム137, ストロンチウム90, プルトニウムル, テニウム106などがあります。
これらの放射性物質の中では、セシウムが一番測定しやすい特性を持っています。そこでセシウムだけに注目し、100 Bq/kg を超えていなければ、他の核種(放射線を出す物質)は存在している比率から考慮しても、年間全体で被ばく線量が1ミリシーベルトを超えない、という考えに基づいて基準値が設定されています。
右の表は、食品から受ける年間の被ばく線量が 1ミリシーベルト以下となるような食品の基準値を 1kg あたりに逆算したものです。全年齢を通しての最小値は 120 Bq/kg です。 この検討からセシウムの新しい基準として 100 Bq/kg が設定されています。
表の数値は、校正労働省の資料「食品の基準値基準値の設定リーフレット版」より抜粋。
年齢区分 | 性別 | 摂取限度値 [Bq/kg] |
---|---|---|
1歳未満 | 男女 | 460 |
1歳~6歳 | 男 | 310 |
女 | 320 | |
7歳~12歳 | 男 | 190 |
女 | 210 | |
13歳~18歳 | 男 | 120 |
女 | 150 | |
19歳以上 | 男 | 130 |
女 | 160 | |
妊婦 | 女 | 160 |
全年齢、性別での最小値 | 120 |
たろうまるの安心サポート体制
高性能な放射線測定器を、ずっと安心してお使いいただくために、最高のサービスを提供したいと考えています。
いつでもご遠慮なくお問い合わせください。
校正と点検
たろうまるは、正規販売店です。
測定器の販売、点検・校正、技術サポートまで、メーカーの技術者から教育を受けたスタッフが対応しております。 購入頂いた線量計、放射線測定器、サーベイメーター、食品用放射線測定器は たろうまるを経由して、メーカーでの修理、点検、校正を行うことができます。
安心の修理体制
メーカー保証期間、保証後も、修理は承っております。
修理品の送料につきまして、
弊社側からの発送の場合は弊社負担、お客様側からの発送については、お客様のご負担となります。あらかじめご了承ください。
サポート
すべての製品は、10年間以上利用されることを想定した耐久性のある設計です。 お求めいただく測定器は、長い期間お使いいただく製品になります。
たろうまるでは、お客様が製品を使用している間ずっとサポートを行っていく体制をとっております。 使い方、修理、校正、点検など、あらゆる場面において技術スタッフが、いつでも対応しております。
食品の放射線測定器 PM1406 仕様
-
製品の分類
- ベクレルモニター
-
検出器のサイズと重さ
高さ :80 mm
直径 :82 mm
重さ :250 グラム -
20mm 鉛容器
外部サイズ
高さ :188 mm 直径 :153 mm
内部サイズ
高さ :110 mm 直径 :113 mm
厚さ :20 mm
重さ :20 kg
3段組 -
50mm 鉛容器
外部サイズ
高さ :270 mm 直径 :245 mm
内部サイズ
高さ :110 mm 直径 :113 mm
厚さ :50 mm
重さ :72 kg
4段組 -
測定下限値
4 Bq/kg
※99%での判定下限値10Bq/kgを実現するための理論値。 -
基準値に対する判定精度
誤判定率 1%以下 -
設定可能な基準値範囲
- 10~100,000 Bq/kg (Cs)
- 50~100,000 Bq/kg (K40)
-
検出器
- 超高感度 CsI シンチレーター
エネルギー補償あり -
シンチレーション体積
8 cm3 -
感度
12,000 cpm/(μSv/h) -
エネルギー範囲
0.150 ~ 3 MeV -
測定できる物
0.2~1.6 g/cm3 の密度範囲の食品・飲料水など -
特徴と機能
- 高感度シンチレーション
- 基準値との自動判定
- 背景放射線の測定
- 背景放射線の変化の簡易チェック
- マリネリ容器の汚染度チェック
- 対衝撃・防水
- 温度依存性を考慮したエネルギー校正の自動補正機能
- スペクトルデータ出力
-
付属品
- 測定器本体
- 遮蔽容器(鉛 20kg)
- マリネリ容器3個
- 収納用ケース
- 校正証明書
- Windows用ソフトウェア
- 食品測定の手順書
-
判定・測定時間の目安
- 10 Bq/kg : 10-3時間
- 25 Bq/kg : 4-2時間
- 50 Bq/kg : 2-1時間
- 100 Bq/kg : 60~10分
-
測定アルゴリズム
シングルチャネル法- Cs: 約400~800 keV
- K:約1,200~1,600 keV
- カリウムからのセシウム側へのコンプトン効果の自動補正
-
室内放射線の目安
- 20mm容器: 0.15 μSv/h 以下
- 50mm容器: 0.90 μSv/h 以下
-
校正
-
電源
USBケーブルによりパソコンから供給 -
動作モード
- 食材アイコン
- 食品の測定
- 飲料水の測定
- 乳幼児食・牛乳の測定
- カリウム40の測定ON/OFF
- マリネリ容器の汚染度チェック
- 背景放射線の変化の簡易チェック
-
防水・防塵
IP 55- 強い水流に対する防水
- 防塵保護
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取扱説明書
-
パソコンとの接続
USB -
食品測定のためのソフトウェア
Windows , 32,64 bit対応 -
Windows 対応
Windows 10, 11
-
動作環境
0度~+50度 -
保証
- メーカー保証1年
- 初期動作保証
-
ダウンロード
0 -
国際規格
- 食品用放射能測定器の国際標準規格 IEC 61563
- 厚生労働省 - 食品中の放射性セシウムスクリーニング法
- Rohs ( 鉛容器を除く )
-
搭載機能