放射線測定に必要なすべての機能を
核種識別
核種識別メーターは、放射線の解析して、元となる物質を特定するための測定器です。
セシウム134,137、ヨウ素131、ウランやプルトニウムなど、高感度シンチレーション検出器により、200種類以上の核種識別をボタン操作だけで簡単に行うことができます。
線量率と探索
実際の屋外の環境では、セシウム、ウラン、ラジウムなど多種の放射線が存在しており、正しい線量率を測定するには、校正や、エネルギー補償システムが重要です。
PM1704M では、エネルギー補償に対応したGM管とシンチレーションを0.3μSv/hで切り替え、低線量から高線量まで幅広い測定を実現しています。
高耐久性、完全防水
Polimaster の測定器は、実用的な設計です。高い防水・防塵性能(IP65)、-20~+50度の利用温度範囲、1.5mの落下試験など、過酷な環境でも利用できる高い耐久性を実現しています。
PM1704M は、大型カラー液晶を搭載し、晴天・屋外の条件でも、十分に見ることができます。
スペクトル核種同定
放射線源を測定し、ボタンを押すだけで、簡単にセシウムなどの核種識別を行うことができます。高感度CsI検出器による1024チャネルの高い分解能をもつスペクトルを大型カラー液晶で確認できます。
コンパクトな測定器を持ち運ぶだけで、ガンマ線に対しての放射線測定のすべてを行うことができる最上位機種です。
放射線を出す物質を見分ける核種同定
核種識別からスペクトル解析まで
核種識別スペクトルメーター PM1704M は、放射線を分析することで放射線を出している物質名(セシウム137, 134など)を判別するための測定器です。
200種類を超える核種に対応し、簡単なボタン操作だけで簡単に物質名を識別することができます。コンパクトな測定器本体に、スペクトル表示と核種識別システムを搭載し、 明るい場所でもはっきりと見える高輝度カラー液晶へ、解析結果が数秒で表示されます。
PM1704M には、検出器を2つ搭載しています。
低線量では高感度 CsI シンチレーション検出器を利用し、中~高線源では、新開発の高感度ガイガーカウンターを切り替えて利用することで、あらゆる放射線レベルに対してバランスのとれた設計となっています。
もちろん、実績のある精度の高い校正が行われた検出器は、エネルギー補償タイプです。低線量から高線量まで、正確な線量調査を行うことができます。
使いやすい大型カラー液晶
低線量から高線量地域向けの放射線測定器
PM1704 は、4つのボタンで操作できる操作性のよい測定器です。
線量率の測定から核種識別まで、簡単に測定できます。
線量率の測定。高感度なので、数秒で測定できます。
放射線の強さが、音の強さで、直感的に分かるようになっています。
スペクトルは、電池が無くなるまでの間、測定でき、高精度の測定ができます。
核種識別は、200種類以上登録できる編集機能も搭載。
核種識別結果と、スペクトルを保存できます。
線量率に応じたアラーム設定もできます。
設定項目も、日本語化されていますので、操作は簡単です。
メニューは、シンプルな設計で、簡単に覚えられます。
物や表面の汚染を調査する
線量計、探索メーター
PM1704M に搭載された線量率測定は、皮膚下 1cm を想定した人体の被ばく線量率をシーベルト単位で測定します。調査する環境中の放射線レベルを、人間の被ばく量で表示することができます。
もちろん検出器 には、エネルギー補償タイプの検出器を採用していますので、屋外においてセシウム、ヨウ素、ウランなどの自然放射線がある環境でも、適切な線量率の測定ができます。
ホットスポットなどの場所を特定するための探索メーターは、放射線の強さを、音の強さで表現する直感的な機能です。 アラーム音の強さを聞き分けることで、放射線の高い場所や、物の表面に付着した放射性物質を探索することができます。
探索モードでは、土壌、服、遊具、車、自宅の外壁など、表面から 10cm 以内の距離で、探索メーターをゆっくりと移動させてください。
メーターの移動と同時に音が変化し、放射線量の変化を知ることができます。線量が高くなるに従い、より強い音に変わっていきます。 最もアラーム音が高い場所だけ、線量値を測定することで、効率的にホットスポットを探し出すことが出来ます。
音の強さで、放射線がみえる
放射線量が高い場所にいくと、放射線量の強さに応じてアラームが鳴り始めます。
最初は一定間隔でアラームが鳴り始め、より線量の強い場所に近づくとアラームはさらに激しく鳴るようになります。アラーム音を聞くだけで、身の回りに潜むホットスポット(高線量)を特定していくことができます。音が最大の場所で線量率(μSv/h)を測定すれば、ホットスポットを発見することができます。
放射線量の高い場所(ホットスポット)の線量を測定器に覚えさせることで、より線量の高い場所を探していくことができます。
アラーム音だけでホットスポットの探索を行える機能により、PM1704Mは多くの専門機関・大学・調査機関で採用されています。
校正の種類
放射線測定器は校正によって2タイプに分けられます。
- 個人線量計
- 空間線量計
PM1704M は空間線量計です。
個人線量計
個人線量計は、人間の被ばくを測るものです。男性であれば胸ポケット、女性は腹部や腰あたりに身に着けて使います。 装着部位については、こちらの「個人線量計の装着部位の解説」が参考になります。
空間線量計
空間線量計は、手に持って使う、どこかに置いて使うような用途です。いろいろなところに持ち出して、その場所、その場所の線量を測定するような目的に使えます。空間線量計の方が自由に使えるといってよいかと思います。
どちらを使うべきか?
放射線やX線機器を使って働く作業者なら「個人線量計」がおすすめです。いつも身につけることでどの場所にいても自分の被ばく量を測定できます。
それ以外の場合で時々だけ放射線の強い場所を探したいという場合には空間線量計が便利です。
2つの検出器の機能
測定器には、GM管(ガイガーカウンター)とCsI シンチレーション検出器の2つの検出器が搭載されています。
それぞれの測定器は、特徴があり性能が発揮できる放射線量が異なります。GM管は応答が遅い検出器ですが高線量であれば十分な応答速度になります。CsI シンチレーション検出器は感度が高いため低線量でも高速な測定ができます。
ひとつの測定器に2つの検出器を搭載することで、低線量から高線量まで対応することができます。
特徴 | 解説 |
---|---|
検出器の自動切り替え | GM管は、感度が低いため低線量では応答スピード遅いのですが、10 Sv/h を超える高線量まで測定できるのが特徴です。 一方、CsI シンチレーション検出器は、感度が非常に高く低線量でも非常に測定スピードが速くなっています。ですが高線量の測定はできません。 この放射線測定器 PM1704M では、0.3μSv/h 以下では、シンチレーション検出器が動作し、0.3μ~100μSv/h の間では、ガイガーカウンターとシンチレーションの両方の検出器が動作します。さらに、100μSv/h 以上になれば、放射線がたくさん飛んでいる環境になりますので、GM管でも十分な測定スピードが確保できるため、GM管に切り替わります。 動作状況によっては、検出器の切り替えは上記以外の動作も行います。常に最適な検出器が選択されるようになっています。 |
エネルギー補償 |
放射線は、セシウム、ウラン、アメリシウム、コバルト、、など様々な原子核から出てきます。それぞれの原子核によって、放射線のエネルギーの強さは、異なっています。エネルギーが違う場合でも、正しい線量率(シーベルト値)を測定器が表示できるかどうかは、検出器にエネルギー補償回路が備わっているかどうかで変わってきます。 エネルギー補償回路がない場合には、セシウムで正しい線量は表示されても、他の原子核からの放射線の場合には、正しい線量が表示できません。場合によっては、5倍、10倍といった値になる場合があります。Polimaster のすべての放射線測定器には、エネルギー補償回路が搭載されています。技術的には、シンチレーション検出器のエネルギー補償は、複雑な形になります。GM管の方が精度の高いエネルギー補償を実現しやすい利点があります。 Polimaster の測定器では、2つの検出器(GM管(ガイガーカウンター)、もう一つはCsI)の両方で、エネルギー補償回路を搭載しています。 |
スペクトル解析と核種識別
200種類以上の核種を識別
PM1704M 本体には、国際基準ANSIに対応した識別できる核種情報を納めたライブラリが標準搭載されています。
識別できる核種を選んで登録できるライブラリ機能
利用者自身が、ライブラリを編集することで、 200種類以上の核種を登録することができます。
セシウム134, 137を含めて、コンパクトな測定器を持ち運ぶだけで、高度なスペクトル分析、核種同定、ホットスポット探索をいつでも行うことができます。
福島県南相馬での実際の使用例
Youtube kienaiyoru さんの動画より
探索モードとは?
探索モードは今現在の放射線量を調べて、それよりも高い放射線量を検出するとアラームや振動で知らせるモードです。
探索モードの便利な点は、警告アラームが発動する放射線量が自動的に設定される点にあります。たとえば作業現場に着いて測定器の電源を入れると測定器は、その場所の線量を測定します。この時に背景放射線量を記憶して、この値よりも少し高い放射線量で自動的にアラームが発動するようになります。
警告アラームが常に自動設定されるため、これから出会うかもしれない未知に放射線量に対して確実に警告を発動させることができます。
メニューから「校正」を選択すると、背景の放射線の測定を開始して、まわりの放射線量を記憶します。
放射線の高い場所を探すために、移動したり、いろいろなものに測定器を近づけてみてください。
放射線の高い場所を見つけたら、その場所で再度、1を行います。測定器は、線量の高い今の場所の放射線量を記憶します。次は、さらに線量の高い場所でアラームが鳴るようになります。
これを繰り返すことで、身の回りで最も線量の高い場所を探すことができます。
屋外での探索モードの使い方
探索モードは、音の早さや振動の強さで放射線量をお知らせする機能です。
放射線量を数字で比較しなくても、音や振動だけで、放射線の強さを直感的に知ることができ、公園や庭など広範囲の探索にとても有効です。
- 測定したい場所に到着したら、モードボタンを長く押して、測定器に今の放射線量を記憶させます。
- 歩き回っていろいろなところを測ってみてください。明らかに高い放射線を検出すると、アラームが鳴ります。アラームの鳴る間隔を頼りに、もっともアラームが早く鳴る場所を探してみてください。
- アラームが早く鳴る場所が見つかったら、μSv/h の表示単位で線量値を読みとります。(例:0.2 µSv/h)
- より強い放射線量の場所を探したい場合には、再度、モードボタンを長く押して、 この場所の放射線量を記憶させます。これで測定器は、0.2 µSv/h よりも、高い放射線源を探そうとします。
- 次は、0.30 µSv/h のような高い線量のところで、アラームが鳴ります。
この手順を繰り返すことで、公園や庭などの広い場所から、高線量の場所(ホットスポット)を探し出すことができます。
パソコンでのデータ確認
200種類以上の核種を識別
PM1704M には、専用ソフトウェアが付属しています。
スペクトル表示、核種識別結果を確認でき、放射線源に含まれる物質の識別や、解析結果を表示できます。 核種ライブラリでは、識別できる核種の新規登録、削除を行うことで、PM1704Mの核種識別範囲を拡張することができます。
たろうまるの安心サポート体制
高性能な放射線測定器を、ずっと安心してお使いいただくために、最高のサービスを提供したいと考えています。
いつでもご遠慮なくお問い合わせください。
校正と点検
たろうまるは、正規販売店です。
測定器の販売、点検・校正、技術サポートまで、メーカーの技術者から教育を受けたスタッフが対応しております。 購入頂いた線量計、放射線測定器、サーベイメーター、食品用放射線測定器は たろうまるを経由して、メーカーでの修理、点検、校正を行うことができます。
安心の修理体制
メーカー保証期間、保証後も、修理は承っております。
修理品の送料につきまして、
弊社側からの発送の場合は弊社負担、お客様側からの発送については、お客様のご負担となります。あらかじめご了承ください。
サポート
すべての製品は、10年間以上利用されることを想定した耐久性のある設計です。 お求めいただく測定器は、長い期間お使いいただく製品になります。
たろうまるでは、お客様が製品を使用している間ずっとサポートを行っていく体制をとっております。 使い方、修理、校正、点検など、あらゆる場面において技術スタッフが、いつでも対応しております。
放射線測定器 PM1704M 仕様
-
製品の分類
- 放射線測定器/サーベイメーター
- スペクトルメーター
- 核種識別・核種同定
-
サイズと重さ
高さ :130 mm
幅 :60 mm
厚さ :46 mm
重さ :350 グラム -
付属品
- Windows 対応ソフト
- 日本語解説書
- 校正証明書
- ベルト用クリップ
- USBケーブル
- ケース
-
表示
- 高輝度カラー
- バックライト
- 液晶ディスプレイ
-
ガンマ線の線量率測定
0.01 μSv/h ~ 13 Sv/h -
線量率の精度
±30% -
カウント測定
1 ~ 9,999 cps -
ホットスポット探索機能
背景となる放射線より一定以上、高い放射線を検出するとアラームを発動。アラーム音を頼りに、汚染物質を探索します。 -
検出器
- 高感度CsI(Tl)シンチレーター
- GM管
-
シンチレーション体積
4 cm3 -
エネルギー範囲
0.033 ~ 3 MeV -
感度
6,000 cpm/(μSv/h) -
スペクトル解析チャネル数
1,024 -
核種分析
ライブラリの追加により、200種類以上を追加できます。 -
スペクトル保存
最大100ファイルを本体に保存 -
高い線量に対する応答時間
0.25 秒 -
校正
-
電池
- アルカリ単3電池1個
- または、ニッケル水素・単3充電池1個
-
連続動作
- 通常の使用時 100 時間
- 液晶連続表示時 8時間30分
-
動作モード
- 線量率の測定(μSv/h)
- 音による探索モード
- 背景の放射線量の記憶
- スペクトル解析
- 核種識別
- パソコンとのデータ通信モード
-
特徴と機能
- 高感度シンチレーション
- 低線量地域向けの汚染調査
- 高速応答
- 放射線源の探索
- 対衝撃・防水
- 振動アラームベルト付属
-
アラーム
背景となる放射線より一定以上、高い放射線を検出するとアラームを発動。- 音アラーム
- 振動アラーム
- 画面表示
- 光アラーム
-
探索アラーム
放射線の強さで感知するとアラームの頻度を変えてお知らせ。 -
防水・防塵
IP 65- 強い水流に対する防水
- 防塵保護
-
取扱説明書
-
パソコンとの接続
USB 2 -
線量率の記録メモリ数
-
Windows 対応
Windows 10, 11
-
動作環境
-20度~+50度 -
落下試験
1.5 m -
保証
- メーカー保証1年
- 初期動作保証
-
信頼性テスト
平均製品寿命 10年 -
ダウンロード
-
国際規格
- 国際原子力機関IAEA基準
- IEC 60846
- IEC 62401
- ANSI N42.32
- ANSI N42.33
- ANSI N42.42
- Rohs
-
搭載機能