γ線・X線の空間線量計
高精度と広い測定範囲
AT6131Aはガンマ線とX線が測定できる空間線量計です。260グラムの小型・軽量タイプで、ガンマ線サーベイメータとしての必要な機能をすべて備えています。
測定できる項目は、バックグラウンドレベルの低い値から高線量までの線量率の測定、積算線量の測定、放射線源が強い場所を音の強さを頼りに探す探索モードです。
線量率は、μSv/h (毎時シーベルト)単位での測定です。人間の被ばく量を見ることができます。
積算線量(μSv)は、放射線による被ばくがある作業中の総被ばく量を知るときに便利です。
日本語液晶画面
大型液晶画面を採用しており、測定器の設定などはすべて日本語対応です。
測定値は画面内で最も大きく表示されるため、ひと目で現在の数値を確認できます。さらに、バックライト機能付きで暗い場所でも数値の読み取りが可能です。
操作ボタンには分かりやすいイラスト表示があり、直感的でストレスのない操作を実現しています。
警告アラーム機能
あらかじめ設定した線量率、積算線量を超えるとアラームが鳴る、警告アラームの発動機能が付いています。警告発動値はボタン操作で変更できます。
警告は赤ライト、画面表示、警告アラーム音または振動と複数あり、場所によって使い分けることができます。
アラームは、線量率に対して、積算線量に対してをそれぞれ設定できます。一定以上の放射線量を検出するとすぐに警告してくれます。
放射線を探すモード
探索モードは、目に見えない放射線を体感的に探すためのモードです。放射線の強さを警告アラームの音の強さに置き換えることで体感的に放射線の高い場所を音の強さを頼りに探していけます。
例えば初めて行くような場所でも、探索モードを使えばどこが一番放射線の強い場所かがわかります。
このモードは今いる場所よりも少しだけ放射線が高くなると警告アラームが鳴るように自動で設定されるため何処に行ってもアラームを聞きながら歩き回り、より放射線の強い場所を探すことができます。
操作
AT6131A は、メニューから測定方法を切り替えることができます。
線量率の測定
毎時シーベルト単位での放射線量の測定です。AT6131A は、時定数ではなく周りの放射線量の強さに応じて最適な測定時間を自動で計算しています。測定偏差(%)の値が30%以下になるまで待ってから測定値を読むだけの簡単な操作になっています。
積算線量の測定
積算線量は作業中の被ばく量を合計した総被ばく量( Sv 単位 ) です。
作業開始前に0にリセットしてから作業することで作業中の総被ばく量を把握できます。右下には線量率も表示されます。
日本語メニュー
画面操作はすべて日本語です。
メニューの矢印をボタン操作することで、測定器の動作や、警告アラーム発動の値を切り替えられます。
線量変化をグラフ表示
自動保存モードは、測定値を一定時間ごとに自動で線量率を連続保存し、ログを取る機能です。保存時間は1~999秒、最大1000件の測定結果を記録できます。記録されたログは表示モードで後で見返すことができます。
警告アラーム発動の設定
測定器のボタン操作で、線量率と積算線量に対する警告アラームの発動設定値(しきい値)の設定ができます。
警告アラーム時には赤ライト、警告アラーム音、振動でお知らせします。
探索モード
探索モードは放射線が強いところを探すモードです。今いる場所を0(中央)として放射線が強い場所にいくとプラス(+)側にメーターが振れます。音の強さと、メーターを見ながら放射線が強い場所、汚染された場所を探していけます。
メモ
メモは、測定値の記録モードです。
測定中にメモリボタンを押すと、今の放射線量が内部メモリに記録されます。最大1,000個の測定値を記録できます。
警告アラームの発動
警告アラームが発動すると、4タイプのお知らせを発動できます。
- 警告アラーム音
- 振動
- 赤色ライト
- 画面内の表示
放射線の強さを、音の強さで体感
探索モードは、放射線の強さに応じた音がなるモードです。警告アラーム音の強さを聞きながら、放射線の強い場所を体感的に探すことができます。
たとえば公園の入り口に到着して測定器の電源を入れると、この場所が「基準値」となります。測定器は基準値よりも高い放射線を検出すると自動定期警告音を鳴らします。
公園の中を歩いて回り、放射線量がより強い場所になると警告音がより強く、より頻度が高くなるように鳴ります。放射線の強さに応じた音がなるため 測定値を見なくても歩きながら放射線の強さを体感することができます。
警告音が最大となった地点が見つかったら、放射線量を測定器に再記憶させます。今度は、この場所が「基準値」となります。その後は、さらに強い放射線の場所でしか警告音が鳴りません。これを繰り返していくことで公園の中で、最も放射線量が強い場所を探していくことができます。
より高い放射線量を基準値として覚えさせる、移動する、さらに基準値と覚えさせる、移動するを繰り返すことで、地域一帯で最も放射線量の高い場所を見つけることができます。
最後に線量率を測定します。
機種の比較
他メーカーとの比較です。AT6131Aは小型・低価格です。
広い指向性
AT6131A は、良好な指向特性を持っており広範囲の放射線サーベイに最適です。
測定値の読み方
放射線測定器は、測定値と偏差がセットで表示されます。ここではガンマ線の線量率(Sv/h)を例として偏差(%)について解説いたします。
測定器では、測定値と偏差がセットで表示されます。
測定器は何度も何度も連続的に測定を行っています。そのため測定値も一定時間の間で何度も何度も計算されます。偏差とは、統計学において、各データの値が平均値からどれだけ離れているかを表す数値です。偏差は、データの値から平均値を引いた差として計算されます。
(偏差)= (各データ)−(平均値)
放射線は出たり出なかったりする性質があるため、時間的に測定値は値にはばらつきが出ます。個々の測定値がばらついている様子は下図のように分布図を使って表現できます。
分布図で、偏差は分布の横への広がりを数値化したものになります。
偏差が小さい(=データが平均に近い)と、分布図は「中央に集中した形」になります。
偏差が大きいと、分布図は「広がった形」になります。
測定した結果が1.00 µSv/h ±25 % という数値の場合を考えてみます。
25%の部分を1.0 μSv/h に対しての25%と解釈し±0.25µSv/hの範囲となります。これが偏差の範囲です。
釣鐘型のすそ野が0.75~1.25 µSv/h 程度に広がっている、という意味になります。偏差(%)が大きいほど釣鐘型の分布は横に広がっていることになります。
放射線は原子核から出てくる粒子ですが、確率的に出たり出なかったりするため短時間だけ放射線を測定すると偏差が大きく分布は広がった形になります。 つまり短時間の測定=測定開始の直後は、分布が広がった状態として観測されます。
そのまま観測・測定を続けると、放射線の粒子がたくさん観測されます。時間をかけて測定すると、広がっていた釣鐘型の分布図は、狭い形で観測されます。
実際の測定例を紹介します。
| 測定時間 | 測定値(平均値) | 偏差(%) |
|---|---|---|
| 測定開始直後 | 1.2 µSv/h | 90% |
| 少し時間が経過… | 1.1 µSv/h | 60% |
| さらに経過… | 1.0 µSv/h | 25% |
| さらに経過… | 1.0 µSv/h | 20% |
| さらに経過… | 1.0 µSv/h | 18% |
| さらに経過… | 1.0 µSv/h | 15% |
| さらに経過… | 1.0 µSv/h | 13% |
時間をかけると偏差が小さくなってくることが分かります。
実際の放射線測定では、測定場所を固定して測定器を動かさずに一か所を測定する必要があります。測定器をあちらこちらと動かしながら測定すると、 偏差の数値は下がっていきません。これは測定器を動かすことで測定器に入ってくる放射線量が激しく変化することが理由となります。
固定した場所で測定する場合には測定時間が長くなれば長いほど、釣鐘型の分布は狭く(=偏差%は小さく)なります。 これは平均値に対して釣り鐘型の分布が細くなっていくことを意味しています。
こちらの分布図は、測定値 1.0 µSv/h 、偏差25%の状態を示しています。
ここで平均値は1.0µSv/h であり、偏差25%の意味は平均値を中心として±0.25µSv/h 範囲 ( 0.75 ~ 1.25 µSv/h の範囲) という意味になります。
長時間の測定を行った場合、偏差(%)と平均測定値について以下のことがいえるようになります。
| 偏差が小さい | 偏差が小さければばらつきが小さいとも解釈できるため、平均値としての測定値 1.0 µSv/h は、正しい測定値として読むことができる。 測定対象物の放射線量(線量率)が安定している状態である。 |
|---|---|
| 偏差が大きい (小さくならない) |
偏差が大きいため、平均値の値は誤差が大きい状態である。平均値としての測定値 1.0 µSv/h は、不確定な数値である。 測定時間が不足している。 長い時間をかけたにもかかわらず偏差が小さくならない場合には、周りの放射線量が常に変動していることが予測される。 移動しながら測定しているため、放射線量が常に変動している。 |
たろうまるの安心サポート体制
高性能な放射線測定器を、ずっと安心してお使いいただくために、最高のサービスを提供したいと考えています。
いつでもご遠慮なくお問い合わせください。
校正と点検
たろうまるは、正規販売店です。
測定器の販売、点検・校正、技術サポートまで、メーカーの技術者から教育を受けたスタッフが対応しております。 購入頂いた線量計、放射線測定器、サーベイメーター、食品用放射線測定器は たろうまるを経由して、メーカーでの修理、点検、校正を行うことができます。
安心の修理体制
メーカー保証期間、保証後も、修理は承っております。
修理品の送料につきまして、
弊社側からの発送の場合は弊社負担、お客様側からの発送については、お客様のご負担となります。あらかじめご了承ください。
サポート
すべての製品は、10年間以上利用されることを想定した耐久性のある設計です。 お求めいただく測定器は、長い期間お使いいただく製品になります。
たろうまるでは、お客様が製品を使用している間ずっとサポートを行っていく体制をとっております。 使い方、修理、校正、点検など、あらゆる場面において技術スタッフが、いつでも対応しております。
放射能・表面密度測定メーター AT6131A 仕様
-
製品の分類
- サーベイメーター
- 放射線測定器
-
サイズと重さ
高さ : 115 mm
幅 :60 mm
厚さ :40 mm
重さ :260 グラム -
検出器
ガイガーカウンター検出器 -
表示
日本語液晶ディスプレイ -
ガンマ線・X線の空間線量率の測定範囲
0.1 [µSv/h] ~ 100 [mSv/h] -
ガンマ線・積算線量の測定
0.1 [µSv] ~ 1 [Sv] -
測定の固有相対誤差
±20% -
エネルギー範囲(ガンマ線)
50 [keV] ~ 3 [MeV] -
感度(ガンマ線 137Cs)
2.8 [cps/µSv/h] -
エネルギー依存性
±30% -
線量率に対する応答
7秒以内(1µSv/hから10µSv/hへの変化 -
警告動作
画面内の警告アイコン、警告ライトに加えて音と振動アラームから選択可能 -
生涯耐久線量
100 [Sv] -
電池
単四電池2本 -
動作時間
300時間以上 -
データ通信
なし
追加オプションでBluetooth通信可能 -
落下試験
0.75 m(標準ポーチ使用時1.2 m) -
防水・防塵
-
動作温度範囲
-20 [度] ~ +50 [度] -
動作湿度
95%以下 (35度以下、結露なし) -
国際規格
IEC 60846-1 -
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