個人線量計
個人線量計は人間の被ばくを測るための放射線測定器です。
放射線の強い場所、病院、放射線管理区域、放射線に汚染された地域、除染現場で活動するといった場合に自分の体がどれぐらい被ばくしたのか知るための放射線測定器です。 測定対象は人間の体で、胸ポケットあたりに装着する形で使います。
サーベイメータ
サーベイメータ(空間線量計)は、もっとも利用用途が広い測定器です。はじめて購入するならサーベイメータをおすすめします。
空間線量は、周辺線量当量率( H*(10) ) と呼ばれており、モノや表面に近づけて放射線量を測ることが目的です。空間線量計はテロ対策、消防、警察、原子力など幅広い用途で使用可能です。
アルファ線・ベータ線用
核種識別
核種識別は、放射線のエネルギー測定して解析することで放射線を出している原子核の種類を特定する機能です。
こちらの機種を使うことで、放射線を出している物質名を特定できます。
X線の測定
X線は、医療、工業、科学実験で使われる人工的に作ることができる放射線です。
X線の測定には、原子力災害用の放射線測定器ではなく、X線専用の測定器が必要です。 低い管電圧から出てくる低エネルギーの軟X線、 胸部レントゲンのように短時間しか照射されないX線は、原子力災害用では測定できません。
X線の線量計の選び方
管電圧で選ぶ
まず最初に、お使いのX線装置の管電圧(kV)を確認しましょう。
例えば、管電圧が 100 [kV]の場合、 発生するX線のエネルギーは、 最大でも約 100 [keV]、 実際には 80 [keV] 前後にピークを持つ分布になります。
これは、X線が「かけた電圧よりも低いエネルギー」で発生するという X線の基本的な性質によるものです。
下の図に示している赤い線は、 管電圧 100 [kV] を印加したときの X線エネルギー分布の一例です。 ご覧の通り、必ず管電圧より低いエネルギーのX線だけが出ています。
そのため、X線を測定する場合は、 実際に出てくるエネルギー(単位 [keV])に対応した測定器 を選ぶ必要があります。
測定器の対応エネルギー範囲が合っていないと、 X線装置に近づけても正しい線量が表示されません。 このページで紹介している機器は、 X線(=低エネルギーのガンマ線)に対応した放射線測定器です。
照射時間で選ぶ
X線は、照射される時間の違いによって大きく3つのタイプに分けられます。 測定器を選ぶ際は、まずお使いのX線発生装置がどのタイプに該当するかを確認し、 それに対応した測定器を選ぶことが重要です。
| 短時間X線 |
健康診断などで行われる胸部レントゲン撮影では、 X線は 0.1 秒から数秒程度といった短い時間だけ照射されます。 病院などで一般的に使用されるX線の多くは、この「短時間X線」に該当します。 照射時間が 8 秒以下の場合は短時間X線として扱われます。 8 秒を超えて連続的に照射できる場合は、連続放射線用の測定器が使用可能です。 |
対応機種 : |
| パルスX線 |
物理実験や医療用途で使用される粒子加速器では、 数ナノ秒といった極めて短い時間のX線が、 繰り返し周期的に発生します。 このようなX線は「パルスX線」と呼ばれ、 専用の応答特性を持つ測定器が必要になります。 |
対応機種 : |
| 連続放射線 |
身の回りの自然放射線や、試験用の放射線源、鉱石などから放出される放射線は、 時間的に途切れることなく連続して放射されます。 これを「連続放射線」と呼びます。 X線装置で 8 秒以上の連続照射が可能な場合も、 連続放射線として扱われます。 照射時間が 8 秒以下の場合は、短時間X線に対応した測定器を使用してください。 |
対応機種 : |
表面汚染の測定
表面汚染サーベイメータは、除染するかどうかの判断を行う測定器です。
アルファ線だけに応答する ZnS(Ag)シンチレーション測定器
アルファ線による表面汚染を定量的に測定(単位 Bq/cm2)する高感度アルファ線測定器です。ZnS(Ag)薄膜シンチレーション検出器は、ガンマ線、ベータ線には無反応であり1度の測定でアルファ線を測定できます。
検出器の大きさによって3タイプあります。大きい方が広い面積を調査しやすいですが、価格も高くなります。
ベータ線用のシンチレーション測定器
ベータ線による表面汚染を定量的に測定(単位 Bq/cm2)する高感度ベータ線測定器です。
検出器の大きさによって3タイプあります。大きい方が広い面積を調査しやすいですが、価格も高くなります。
表面汚染サーベイメータの選び方
AT6130は、日本の除染基準値をすべて測定できる機器です。
除染の判断基準
原子力災害時に避難してくる住民、車両、物品などの表面に付着した放射能濃度を検査し必要であれば簡易的な除染を行うことになっています。
除染が必要かどうかの判断基準は下表のようになっており、OIL4 (運用状の介入レベル, Operational Intervention Level, 略して OILの4番目) や原子力災害対策指針に定義されています。
| 測定場所 | 線種 | 除染の判断基準値 | 定義 | |
| 単位 [cpm] | 単位 [Bq/cm2] | |||
| 皮膚の表面 | β線 | 40,000 cpm | 120 Bq/cm2 | OIL 4 |
| 13,000 cpm | 40 Bq/cm2 | |||
| 車両、物品等 | β線 | 40,000 cpm | 120 Bq/cm2 | 原子力災害対策指針の規定 |
除染の測定単位は、cpmとBq/cm2で2つの定義されていますが、どちらも同じ量の放射能です。
cpm単位の場合には、GM管の検出面積が 20 cm2を使って 測定する定義になっています。 GM管の大きさに異なる場合には、面積あたりで換算が必要になります。 AT6130は、この計算を自動で行いますので画面に表示される測定値は OIL4 の除染基準とそのまま比較できる値が表示されます。
Bq/cm2単位の場合には、物理的な量なので ヨウ素などの核種で校正されていればどの測定器で測定しても同じとなります。 AT6130は、この単位に切り替えて測定ができます。
環境モニタリングシステム
屋外や室内に設置する据え置き型のモニタリングシステムです。 コンセントなどの外部電源を使用して24時間365日、放射線量の監視を行います。
ご遠慮なくご相談ください
モニタリング機器は種類が多いため、事前にご相談ください。
対象放射線、測定対象、施設の広さなどの詳細を教えていただければ、
最適な機種をご紹介いたしますのでご遠慮なくご相談ください。
中性子の測定
中性子はコンクリートや分厚い金属も透過できる放射線です。特に核分裂などから出てくる中性子は、とても早い速度=高いエネルギーをもっており人体に当たると大きな被ばくとなります。
中性子は、熱中性子線と高速中性子線があります。
- 原子炉中など核分裂の時には、とても速度が速くエネルギーが高い「高速中性子」がでてきます。
- 速度の速い中性子は、空気やいろいろなものと衝突を繰り返すことで最終的にはとても低速な「熱中性子」になります。
| 利用目的 | 特徴 | 最適な製品 |
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線量率は、人間の被ばく量を数値化した値です。単位は「シーベルト単位」で数値が大きいほど人体への影響が大きいと見ることができます。 線量率を測定するには、低速な熱中性子~高速中性子までの中性子全体を測定できる性能が必要となります。 そのため大きな減速材をまとった測定器が必要です。 BDKN-03のように大きな減速材を使うことで熱中性子~高速中性子まですべてに対して 良好なエネルギー特性になるため、人間の被ばく量を測定ための最適な測定器となります。 |
BDKN-03
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中性子の存在をすぐに検出して警告する、どこに中性子の発生源があるのか探す、という目的の場合には減速材の薄い BDKN-05, BDKN-01がおすすめです。 減速材が分厚くなると測定器のエネルギー性能はよくなりますが、一方で感度が低くなるため中性子の線源位置を短時間で探すことには向いていません。 感度が高い方が測定器を動かしたときに素早く応答できるようになります。 BDKN-05, BDKG-01 は減速材の量を抑えて高感度で中性子を探すことができる検出器です。 |
BDKN-05
BDKN-01
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核融合,ITERなどの研究では高速中性子だけを効率よく検出する必要があります。 高速中性子だけを測定できる S670検出器は、減速材を使わずにヘリウム4中に発生するシンチレーション光をSiPM光検出デバイスで検出します。 これによりガンマ線、高速中性子、熱中性子を分離して検出・カウント測定できます。
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S670
S670e
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減速材
減速材は、水素原子を多く含んだ材料です。
測定器(BDKN-01,BDKN-03, BDKN-05)は、ヘリウム3を使った比例計数管が中心にあり、周りが減速材で囲まれた検出器です。
ヘリウム3は、熱中性子に対して感度が高くなっているためすべての中性子は、減速後に「熱中性子」に変えてから検出部でカウントされます。 核分裂などから出てきた中性子は高速ですが、これも熱中性子に変えてから検出する形になります。
こちらの図では減速材に入ってきた高速中性子が、水素原子に弾性散乱しながら速度を落として最終的に中心にある検出器に入る様子を図にしています。
減速材が分厚いほど減速の効果も大きくなり測定器のエネルギー特性も良くなる効果がありますが、 中性子が検出器に入りにくくなる遮蔽の効果もあるため減速材が大きすぎると測定器の感度が落ちるというデメリットがあります。
ですが大きな減速材を使うことで中性子検出器のエネルギー特性が良くなるため、被ばく量(シーベルト値)を測定する「中性子線量計」には大きな減速材が使われています。
一方で中性子があるかないか短時間・高感度で調べたいという用途では、小さい減速材が使われています。
| 減速材 | 利点 | 欠点 | 測定目的 |
| BDKN-03 分厚い減速材
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広範囲のエネルギーに対する中性子線を測定できるため、人間の被ばく量を測定する線量率(測定単位シーベルト Sv/h)に最適。 |
| BDKN-01 薄い減速材
BDKN-05薄い減速材
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中性子線に対して応答性がよくなっていますので、中性子線を「探す」目的に向いている測定器です。 サーベイメータの分類になります。 |
高速中性子線だけを検出する
これまで見てきた中性子・比例計数管検出器には、ヘリウム3が使われています。ヘリウム3は、熱中性子に対して感度が高いため減速材が必要な構造になっています。 ですが高速中性子だけを検出したいという用途では、減速材を使うことができません。減速材を使うとすべてが熱中性子になるため線源以外からの熱中性子と区別が付かなくなります。
核融合などの研究では、 高速中性子だけを正確に測定する必要があります。これらの用途には、ヘリウム4によるシンチレーション検出器が最適です。
ヘリウム4を使った高速中性子検出器は減速材がなく、検出器に入射した高速中性子はヘリウム4で弾性散乱して光を出します。これをSiPM光検出デバイスで検出することで 高速中性子線が入射した正確なタイミングと、エネルギー情報を測定することができます。
ヘリウム4は、NaIと同等の良好なシンチレーション材料であり、熱中性子の感度が低く、逆に高速中性子に対して感度が高くなっています。
開発向けの測定器
シリアル接続( RS485, RS232, USB, Bluetooth ) で通信できる放射線測定器です。
パソコン, Raspberry Pi, Arduinoと接続して24時間・365日の環境モニタリングシステムや、ロボット、ドローンに搭載した開発が可能です。 シリアル接続は簡単です。命令文を送ると浮動小数点の線量率値が応答として戻ってきます。
たろうまるではサンプルプログラムの提供や開発の技術サポートを行っており、放射線測定器を使ったシステム構築のはじめの一歩をお手伝いしております。
ベクレル・放射能の測定
食品・飲料水・材料に含まれる放射能の基準値は、100 [Bq/kg] や 10 [Bq/kg]です。
この量は極々わずかな量であるためハンディタイプの放射線測定器を近づけてもまったく応答しません。 食品・飲料水・材料の測定には、ベクレルモニターと呼ばれる専用の測定器が必要となります。
車両・歩行者ゲートモニター
ゲートモニターは、放射性物質の持ち出しや持ち込みを監視するゲート型の測定器です。
鉛遮蔽容器
放射線を出す線源や鉱石などを保管するための鉛遮蔽容器です。
鉛は効率よく放射線を遮蔽できます。鉛の厚みが分厚いほど放射線を遮蔽する効果が高くなります。ほとんどの場合には20mm の厚さで十分な遮蔽効果があります。
50mm 鉛容器は、60Coや22Naなど放射線量も強く、エネルギーも高い場合に選択してください。 鉛の厚みが分厚いほど放射線を遮蔽する効果が高いのですが、それに比例して容器が重くなります。
ドローンで測定
ドローンを使った放射線測定は広範囲を短時間で測定することができます。 ドローンでの測定における重要なポイントは、 ドローンの移動速度よりも放射線測定器の応答スピードの方が速いことが求められています。
こちらではLIDARレーザーによる高精度な高度測定と、超高感度・大型シンチレーション検出器を使ったドローン向けの放射線測定システムをご紹介しています。
放射性廃棄物・ドラムの自動測定システム
様々な形のドラムに詰められた放射性廃棄物の最大・表面線量、密度、放射能(Bq)、核種ごとの放射能(Bq)を自動測定します。
WAM-300,400 は放射線源を使うことで密度を正確に測定、核種識別を行い核種ごとの放射能を測定・評価します。
ARガンマカメラ
放射線情報をリアルタイムでARカメラ映像に重ねて表示します。

BDKN-05