X線の線量計の選び方

管電圧で選ぶ

まず最初に、お使いのX線装置の管電圧(kV)を確認しましょう。

例えば、管電圧が 100 [kV]の場合、 発生するX線のエネルギーは、 最大でも約 100 [keV]、 実際には 80 [keV] 前後にピークを持つ分布になります。

これは、X線が「かけた電圧よりも低いエネルギー」で発生するという X線の基本的な性質によるものです。

下の図に示している赤い線は、 管電圧 100 [kV] を印加したときの X線エネルギー分布の一例です。 ご覧の通り、必ず管電圧より低いエネルギーのX線だけが出ています。

そのため、X線を測定する場合は、 実際に出てくるエネルギー(単位 [keV])に対応した測定器 を選ぶ必要があります。

測定器の対応エネルギー範囲が合っていないと、 X線装置に近づけても正しい線量が表示されません。 このページで紹介している機器は、 X線(=低エネルギーのガンマ線)に対応した放射線測定器です。

照射時間で選ぶ

X線は、照射される時間の違いによって大きく3つのタイプに分けられます。 測定器を選ぶ際は、まずお使いのX線発生装置がどのタイプに該当するかを確認し、 それに対応した測定器を選ぶことが重要です。

短時間X線

健康診断などで行われる胸部レントゲン撮影では、 X線は 0.1 秒から数秒程度といった短い時間だけ照射されます。 病院などで一般的に使用されるX線の多くは、この「短時間X線」に該当します。

照射時間が 8 秒以下の場合は短時間X線として扱われます。 8 秒を超えて連続的に照射できる場合は、連続放射線用の測定器が使用可能です。

対応機種 :
パルスX線

物理実験や医療用途で使用される粒子加速器では、 数ナノ秒といった極めて短い時間のX線が、 繰り返し周期的に発生します。

このようなX線は「パルスX線」と呼ばれ、 専用の応答特性を持つ測定器が必要になります。

対応機種 :
連続放射線

身の回りの自然放射線や、試験用の放射線源、鉱石などから放出される放射線は、 時間的に途切れることなく連続して放射されます。 これを「連続放射線」と呼びます。

X線装置で 8 秒以上の連続照射が可能な場合も、 連続放射線として扱われます。 照射時間が 8 秒以下の場合は、短時間X線に対応した測定器を使用してください。

対応機種 :
たろうまるの専門サポートにご遠慮なく連絡ください

ご遠慮なくご相談ください

こちらでご紹介している機種は、X線測定に対応した機器です。
ですが、お使いのX線の詳細を教えていただければ、最適な機種をご紹介いたしますのでご遠慮なくご相談ください。

アルファ線だけに応答する ZnS(Ag)シンチレーション測定器

アルファ線による表面汚染を定量的に測定(単位 Bq/cm2)する高感度アルファ線測定器です。ZnS(Ag)薄膜シンチレーション検出器は、ガンマ線、ベータ線には無反応であり1度の測定でアルファ線を測定できます。

検出器の大きさによって3タイプあります。大きい方が広い面積を調査しやすいですが、価格も高くなります。

ベータ線用のシンチレーション測定器

ベータ線による表面汚染を定量的に測定(単位 Bq/cm2)する高感度ベータ線測定器です。

検出器の大きさによって3タイプあります。大きい方が広い面積を調査しやすいですが、価格も高くなります。

表面汚染サーベイメータの選び方

AT6130は、日本の除染基準値をすべて測定できる機器です。

除染の判断基準

原子力災害時に避難してくる住民、車両、物品などの表面に付着した放射能濃度を検査し必要であれば簡易的な除染を行うことになっています。

除染が必要かどうかの判断基準は下表のようになっており、OIL4 (運用状の介入レベル, Operational Intervention Level, 略して OILの4番目) や原子力災害対策指針に定義されています。

除染の測定単位は、cpmBq/cm2で2つの定義されていますが、どちらも同じ量の放射能です。

cpm単位の場合には、GM管の検出面積が 20 cm2を使って 測定する定義になっています。 GM管の大きさに異なる場合には、面積あたりで換算が必要になります。 AT6130は、この計算を自動で行いますので画面に表示される測定値は OIL4 の除染基準とそのまま比較できる値が表示されます。

Bq/cm2単位の場合には、物理的な量なので ヨウ素などの核種で校正されていればどの測定器で測定しても同じとなります。 AT6130は、この単位に切り替えて測定ができます。

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ご遠慮なくご相談ください

モニタリング機器は種類が多いため、事前にご相談ください。
対象放射線、測定対象、施設の広さなどの詳細を教えていただければ、
最適な機種をご紹介いたしますのでご遠慮なくご相談ください。

減速材

減速材は、水素原子を多く含んだ材料です。

測定器(BDKN-01,BDKN-03, BDKN-05)は、ヘリウム3を使った比例計数管が中心にあり、周りが減速材で囲まれた検出器です。

ヘリウム3は、熱中性子に対して感度が高くなっているためすべての中性子は、減速後に「熱中性子」に変えてから検出部でカウントされます。 核分裂などから出てきた中性子は高速ですが、これも熱中性子に変えてから検出する形になります。

こちらの図では減速材に入ってきた高速中性子が、水素原子に弾性散乱しながら速度を落として最終的に中心にある検出器に入る様子を図にしています。

減速材が分厚いほど減速の効果も大きくなり測定器のエネルギー特性も良くなる効果がありますが、 中性子が検出器に入りにくくなる遮蔽の効果もあるため減速材が大きすぎると測定器の感度が落ちるというデメリットがあります。

ですが大きな減速材を使うことで中性子検出器のエネルギー特性が良くなるため、被ばく量(シーベルト値)を測定する「中性子線量計」には大きな減速材が使われています。

一方で中性子があるかないか短時間・高感度で調べたいという用途では、小さい減速材が使われています。

減速材とヘリウム3検出器

高速中性子線だけを検出する

これまで見てきた中性子・比例計数管検出器には、ヘリウム3が使われています。ヘリウム3は、熱中性子に対して感度が高いため減速材が必要な構造になっています。 ですが高速中性子だけを検出したいという用途では、減速材を使うことができません。減速材を使うとすべてが熱中性子になるため線源以外からの熱中性子と区別が付かなくなります。

核融合などの研究では、 高速中性子だけを正確に測定する必要があります。これらの用途には、ヘリウム4によるシンチレーション検出器が最適です。

ヘリウム4を使った高速中性子検出器は減速材がなく、検出器に入射した高速中性子はヘリウム4で弾性散乱して光を出します。これをSiPM光検出デバイスで検出することで 高速中性子線が入射した正確なタイミングと、エネルギー情報を測定することができます。

ヘリウム4は、NaIと同等の良好なシンチレーション材料であり、熱中性子の感度が低く、逆に高速中性子に対して感度が高くなっています。

減速材とヘリウム3検出器