アルファ線の表面汚染密度の測定

アルファ線のみを検出

ZnS(Ag) 薄膜シンチレーションは、厚み 1mm の薄いシンチレーション膜です。

物理的に薄いためガンマ線、ベータ線は検出器と相互作用せずにすり抜けることでほとんど検出されません。

アルファ線のみが薄膜に衝突して検出されるため、表面汚染密度、線源の位置特定を短時間で効率的に行うことが可能です。

表面汚染密度 Bq/cm2

放射線障害防止法電離放射線障害防止法などの 国内法規制に適合する測定を行えます。

アルファ線の表面汚染密度の測定はベクレル単位で 4 Bq/cm2 の判定ができます。その他、流束密度(cpm/cm2)、流束(count/cm2)、アルファ線崩壊数( count/cm2 ) など4タイプの測定ができます。

3タイプの検出器

BDPA-01,02,03 は3タイプの大きさが用意されています。

広い範囲の面積を調査する場合は、 より大きな検出器を使うことで短時間で効率的に放射線・表面汚染密度を測定することができます 。その一方で大きな検出器は価格が高くなり、より重くなります。

中間の BDPA-02 が価格、測定能力のバランスが優れており、おすすめできる機種です。

アルファ線による校正

BDPA-01, 02, 03 の校正は、Pu239 のアルファ線による校正です。測定値の信頼性を示す校正証明書が各デバイスごとに付属しています。

アルファ線のエネルギー依存性、線形性がチェックされており精度の高い表面汚染密度を測定できます。

ZnS(Ag)薄膜シンチレーション

薄膜 ZnS(Ag)シンチレーションは、物理的に薄いシンチレーション検出器( 1mm 厚 )です。

厚みが薄いことでガンマ線、ベータ線は検出器と相互作用せずにその大半が通り抜けてしまう性質を持っています。 この構造によりアルファ線のみに応答する検出器を実現しています。

従来の測定方法

従来のガイガーカウンター(GM管)を使った測定では、アルファ線の測定においてガンマ線、ベータ線も同時に測定してしまうことが課題でした。 従来の測定方法でアルファ線の測定をするには、薄いポリエチレン膜でアルファ線を遮蔽することでガンマ線、ベータ線だけを測定しこの分の差分をとる2回測定法が一般的です。

差分の式は、(α+β+γ)- (β+γ)=αとなります。2回測定を行うことで測定誤差が大きくなることも課題でした。

1回でアルファ線を測定

BDPAシリーズは1回の測定でアルファ線だけを測定できるため、より短時間で精度の高い測定を実現しています。

薄膜シンチレーション
BDPAとPU2

放射線源を探す機能

最も放射線が高い場所を探すことは、放射線による汚染調査をする最初の一歩となります。BDPA-01,02,03 には放射線源を探すための探索機能があります。

探索機能では、放射線が高くなると警告音の鳴る間隔が短くなり、音を聞きながら放射線の強い場所を体感的に探すことができます。

音の強さで放射線を体感

探索モードの警告音は電源を入れた場所や基準設定をした場所の放射線量が「基準値」になり、 この基準値と比較して放射線が強ければ音が強くなるという仕組みです。

警告音が最大となった場所が見つかったら、放射線が高い場所を「基準値」として再設定します。その後は、さらに強い放射線の場所でしか警告音が鳴りません。

これを繰り返していくことで、音の強さを頼りに線源の位置、最大汚染場所を特定することができます。

4つの測定単位

BDPA は、4つの測定単位でアルファ線を評価できます。

PU2表面汚染密度画面

表面汚染密度(Bq/cm2)

PU2流束密度画面

流束密度 ( count/cm2/分 )

PU2流束画面

流束( count/cm2 )

PU2崩壊数密度画面

崩壊数密度( Pu239 換算 , count/cm2 )

測定単位

BDPA-01, 02, 03 は、アルファ線の表面汚染密度 ( Bq/cm2 ) を測定する測定器です。以下の測定単位に切り替えて測定することができます。

  • 表面汚染密度 (Bq/cm2)
  • 流束密度 ( count/cm2/分 )
  • 流束 ( count/cm2 ) - 流束密度の積算値
  • 崩壊数 ( Pu239 換算 , count/cm2 )

表示端末内にはガンマ線検出器を内蔵

表示端末 PU2 の方にはガンマ線検出器が内蔵されています。アルファ線があるところでは必ずガンマ線があるため、測定作業者の被ばく量を把握するために利用できます。

  • ガンマ線の線量率 ( Sv/h )
  • ガンマ線の積算線量 ( Sv )

表示端末 PU2

PU2端末は、いろいろな検出器を接続できる多目的端末です。ガンマ線の線量率計を内蔵しているため測定者の被ばく量を把握する目的に利用できます。

  • 測定値の表示 ( Sv/h ), ( Sv )
  • 背景放射線の減算(引き算)機能
  • 測定最大値の表示
  • 測定値を内蔵メモリに保存
PU2

2つの検出器の切り替え

表示端末 PU2 はガンマ線測定器が内蔵されており、外部接続でアルファ線の測定器と接続されています。アルファ線とガンマ線の測定値を切り替えて表示できます。 2つの検出器は、ボタン操作で切り替えることができます。

PU2のライト

2つの検出器の表示状態を示すライト

ガンマ線測定

ガンマ線・線量率の測定

アルファ線測定

アルファ線の測定

3タイプの大きさ

検出器は大きいほど、広い面積を調査するための効率が大きく上がります。大きい検出器ほど重くなります。測定効率と重さのバランスがよいのは、BDPA-02 になります。

シンチレーション・アルファ線検出器

BDPA-03

検出面積 300cm2
感度 2.4 cps/particle/min/cm2

表面の放射線汚染

BDPA-02

検出面積 100cm2
感度 0.9 cps/particle/min/cm2

アルファ線・表面汚染サーベイメータ

BDPA-01

検出面積 30cm2
感度 0.3 cps/particle/min/cm2

流束密度 count/cm2/分 とは?

流束密度とは、 1cm x 1cm の平面を1分間で通り抜ける放射線のカウント率(=放射線の個数/時間)です。

放射線源(S)から距離(r)が離れるほど、単位面積あたりのカウント数は少なくなります。逆に放射線源に近づくほど単位面積あたりのカウント数は多くなります。 この関係を利用して、離れたところから流束密度を測定すれば、仮に近づいたときにどれぐらいの放射線量になるのか、計算によって求めることができます。 流束密度測定は容易に近づくことができない線源に対する有効な測定方法といえます。

流束密度(count/cm2/分)は1分間でのカウント量ですがこれを時間的に積算すると流束(count/cm2)という量になります。

流束密度

表面汚染密度 Bq/cm2 とは?

ベクレル(英語:becquerel、記号: Bq)とは、 放射能(Activity)の強さを表す単位です。ある放射線源があった場合、そこから1秒間に出てくる放射線の数、すなわち崩壊する原子核の数を表す単位です。

表面汚染密度( Bq/cm2 ) は、1cm x 1cm の表面から出てくる放射線の数( Bq ) という意味になります。

放射線障害防止法電離放射線障害防止法などの 国内法規制では、アルファ線の表面汚染密度として 4 Bq/cm2 が定義されています。

表面汚染密度

背景放射線の減算機能

薄膜 ZnS(Ag)シンチレーションは、物理的に薄くすることでガンマ線とベータ線にはほとんど応答せず、アルファ線だけの測定を行えます。 ですが測定するアルファ線が微弱である場合には、わずかに反応するガンマ線、ベータ線の影響を無視できない場合があります。このような場合には、2段階の測定を行うことができます。

背景放射線

1段階目の測定

プラスチックのキャップをした状態で測定すると、アルファ線が除去されてガンマ線+ベータ線(γ+β)を測定します。(γ+β)は測定する場所の背景放射線量となります。

この測定量は、測定器が記憶・保存するため以後の測定では、自動的に減算(引き算)されています。

2段階目の測定

プラスチックキャップを外して(γ+β+α)を測定します。1段階目で測定した背景放射線量は、2段階目では自動的に引き算されています。 そのためこの状態で測定器を動かしてアルファ線が強い場所を探せます。

パソコン用ソフトウェア

付属のソフトウェア「Atexch」をパソコンにインストールし、BDPA-01,02,03と接続すると測定値をパソコンでも確認できます。

  • 表面放射能、積算流束密度、カウント率の表示
  • それらの測定値に対するアラーム機能
  • 測定値をテキストファイルで定期的に保存
  • 探索モードの実行

ソフト「Atexch」の使い方はこちらをご覧ください。

ソフトウェアatexch
ソフトウェアatexch

たろうまるの安心サポート体制

高性能な放射線測定器を、ずっと安心してお使いいただくために、最高のサービスを提供したいと考えています。
いつでもご遠慮なくお問い合わせください。

校正と点検

たろうまるは、正規販売店です。

測定器の販売、点検・校正、技術サポートまで、メーカーの技術者から教育を受けたスタッフが対応しております。 購入頂いた線量計、放射線測定器、サーベイメーター、食品用放射線測定器は たろうまるを経由して、メーカーでの修理、点検、校正を行うことができます。

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メーカー保証期間、保証後も、修理は承っております。

修理品の送料につきまして、
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サポート

すべての製品は、10年間以上利用されることを想定した耐久性のある設計です。 お求めいただく測定器は、長い期間お使いいただく製品になります。

たろうまるでは、お客様が製品を使用している間ずっとサポートを行っていく体制をとっております。 使い方、修理、校正、点検など、あらゆる場面において技術スタッフが、いつでも対応しております。

アルファ線・表面汚染測定 BDPA-01 仕様

  • 写真

    Atomtex BDPA-01 - シリアル接続放射線測定器
  • 製品の分類

    • 表面汚染サーベイメータ
  • 検出器

    ZnS(Ag)シンチレーション検出器
  • 検出器の面積

    30cm2
  • エネルギー範囲

    4~7MeV
  • アルファ線の流束密度の測定範囲

    0.1~105count/cm2/分
  • アルファ線の流束の測定範囲

    1~3×106count/cm2
  • 表面汚染の測定範囲

    3.4×10-3~3.4×103Bq/cm2
  • 崩壊数

    1~3×106/cm2
  • 測定の固有相対誤差

    ±20
  • 表面汚染の固有相対誤差

    ±20
  • 感度

    pu
    238U 0.09cps/cm2/分
    234U 0.14cps/cm2/分
    239Pu 0.15cps/cm2/分
  • ガンマ線に対する耐性

    ±5以下
  • ベータ線に対する耐性

    ±5以下
  • パソコンとの接続

    RS232-USBケーブル(シリアル通信)
  • 動作環境

    温度 -40~+50
    湿度 95%以下(35℃・結露なし)
  • 防水・防塵

    IP 64
  • サイズ

    Φ 85 x 200mm
  • 重さ

    0.5kg
  • 保証

    • メーカー保証1年
    • 初期動作保証
  • 取扱説明書

  • ダウンロード

  • Windows 対応

    Windows 10, 11~
    Windows 10対応
  • 国際規格

    • GOST 30804.4.2-2013
    • Rohs
  • 校正・試験所規格

    ISO 17025
  • 付属品・オプション

    付属品

    • PU2表示端末
    • 接続ケーブル
    • Atexch ソフトウェア

    など

アルファ線・表面汚染測定 BDPA-02 仕様

  • 写真

    Atomtex BDPA-02 - シリアル接続放射線測定器
  • 製品の分類

    • 表面汚染サーベイメータ
  • 検出器

    ZnS(Ag)シンチレーション検出器
  • 検出器の面積

    100cm2
  • エネルギー範囲

    4~7MeV
  • アルファ線の流束密度の測定範囲

    0.05~5×104count/cm2/分
  • アルファ線の流束の測定範囲

    1~3×106count/cm2
  • 表面汚染の測定範囲

    1.7×10-3~1.7×103Bq/cm2
  • 崩壊数

    1~3×106/cm2
  • 測定の固有相対誤差

    ±20
  • 表面汚染の固有相対誤差

    ±20
  • 感度

    238U 0.50cps/cm2/分
    234U 0.58cps/cm2/分
    239Pu 0.70cps/cm2/分
  • ガンマ線に対する耐性

    ±5以下
  • ベータ線に対する耐性

    ±5以下
  • パソコンとの接続

    RS232-USBケーブル(シリアル通信)
  • 動作環境

    温度 -40~+50
    湿度 95%以下(35℃・結露なし)
  • 防水・防塵

    IP 64
  • サイズ

    Φ 137 x 230mm
  • 重さ

    0.7kg
  • 保証

    • メーカー保証1年
    • 初期動作保証
  • 取扱説明書

  • ダウンロード

  • Windows 対応

    Windows 10, 11~
    Windows 10対応
  • 国際規格

    • GOST 30804.4.2-2013
    • Rohs
  • 校正・試験所規格

    ISO 17025
  • 付属品・オプション

    付属品

    • PU2表示端末
    • 接続ケーブル
    • Atexch ソフトウェア

    など

アルファ線・表面汚染測定 BDPA-03 仕様

  • 写真

    Atomtex BDPA-03 - シリアル接続放射線測定器
  • 製品の分類

    • 表面汚染サーベイメータ
  • 検出器

    ZnS(Ag)シンチレーション検出器
  • 検出器の面積

    300cm2
  • エネルギー範囲

    4~7MeV
  • アルファ線の流束密度の測定範囲

    0.05~2×104count/cm2/分
  • アルファ線の流束の測定範囲

    1~3×106count/cm2
  • 表面汚染の測定範囲

    1.7×10-3~0.68×103Bq/cm2
  • 崩壊数

    1~3×106/cm2
  • 測定の固有相対誤差

    ±20
  • 表面汚染の固有相対誤差

    ±20
  • 感度

    238U 1.5cps/cm2/分
    234U 1.6cps/cm2/分
    239Pu 2.5cps/cm2/分
  • ガンマ線に対する耐性

    ±5以下
  • ベータ線に対する耐性

    ±5以下
  • パソコンとの接続

    RS232-USBケーブル(シリアル通信)
  • 動作環境

    温度 -40~+50
    湿度 95%以下(35℃・結露なし)
  • 防水・防塵

    IP 64
  • サイズ

    Φ 222 x 277mm
  • 重さ

    1.4kg
  • 保証

    • メーカー保証1年
    • 初期動作保証
  • 取扱説明書

  • ダウンロード

  • Windows 対応

    Windows 10, 11~
    Windows 10対応
  • 国際規格

    • GOST 30804.4.2-2013
    • Rohs
  • 校正・試験所規格

    ISO 17025
  • 付属品・オプション

    付属品

    • PU2表示端末
    • 接続ケーブル
    • Atexch ソフトウェア

    など

表示端末 PU2 仕様

  • 写真

    Atomtex PU2 表示端末
  • 製品の分類

    • 線量計
    • 操作ユニット
  • 検出器

    GM管検出器
  • エネルギー範囲

    60~3,000keV
  • ガンマ線線量率の測定範囲

    1μSv/h~100mSv/h
  • ガンマ線積算線量の測定範囲

    1μSv~1Sv
  • 線量率測定の固有相対誤差

    ±20
  • エネルギー依存性

    -25 ~ +35%
  • 感度

    pu
    137Cs 1.0cps/(μSv/h)
    137Cs 3.6×103count/μSv
  • 応答時間

    2秒未満
  • 動作環境

    温度 -40~+50
    湿度 95%以下(35℃・結露なし)
  • 防水・防塵

    IP 64
  • サイズ

    210 x 88 x 36mm
  • 重さ

    0.6kg
  • 保証

    • メーカー保証1年
    • 初期動作保証