PM1401K-3M, PM1401K-3 取扱説明書
α・β・γ+中性子線対応、核種識別マルチサーベイメーター
ベクレル測定のための背景放射線の測定
食品の放射線測定は、3ステップで行われます。
ステップ1
背景放射線の測定
測定器の周りの放射線を測定します。 食品を測るときに、測定器は、周りの放射線も一緒に測ってしまうので、 最初に周りの放射線(背景放射線)を測っておき、後で計算で差し引くということをします。
計算式 : 食品の放射線 = 測定値 - 背景放射線
ステップ2
食材の重さ、体積を入力
マリネリ容器(別売り)を使うことで、500ml の食材を用意することができます。 後は重さを測り、測定器の設定画面に入力します。
基準値を入力します。たとえば、食品であれば、100 Bq/kg が日本の食品基準値(セシウム)になっています。
ステップ3
食品の測定をスタート
食品の測定を開始します。
食品に含まれる放射能が少ないほど、測定には時間がかかります。
結果は、測定値±誤差の形で表示されます。「測定値」は、実際に測定した結果です。これが含まれている放射能(Bq/kg)の値です。
誤差は、計算で求めた放射線のばらつきの範囲です。放射線はでたり出なかったりするため、測定値もなんども 測れば、この範囲でばらつく可能性を示しています。
ステップ1 : 背景放射線の測定
食品などのサンプルを測定する前に、背景放射線の測定を行ってください。 背景放射線の測定のとき、食品などの測定サンプルは入れずに測定します。
背景放射線の測定は、最初に一度だけ測定します。
背景放射線の測定は、できるだけ長時間行ってください。より長い時間、背景放射線を測定することで、食品などのサンプルを測定する際に、より低いベクレル値まで測定できるようになります。食品などのサンプル測定では、「判定下限値」を基準値として、基準値より高いか、低いかを判定します。
たとえば、にんじんを測定する場合、100 Bq/kg より低いか、高いかを判定することになります。背景放射線を長時間測定することで、基準となる 100 Bq/kg といった判定の値をより低く設定できるようになります。
ベクレル測定のメニュー画面から [ 3.背景放射線の測定 ] - [ 選択 ] で背景放射線の測定へ進みます。
[新規測定]は、初めて背景放射線を測る場合や、測定する場所を移動した場合に選択します。新規測定を選択すると、測定器が記憶していた背景放射線の値が消去されます。背景放射線を再測定する必要がある場合に選択してくてださい。
[測定を再開]は、前回、測定した背景放射線の状態を測定器が記憶していますので、その続きで背景放射線を測定する場合に選択します。前回の続きからの測定になるので、背景放射線の合計での測定時間を長くすることができます。これによりより低いサンプルの判定基準値が使えるようになります。
背景放射線の測定が完了していない場合はこの画面が表示されます。背景放射線の測定を完了させてからサンプル測定を行ってください。
サンプル測定の判定基準となる基準値は背景放射線を長く測ることでより低くなります。
背景放射線は、測定器が記憶しますので同じ場所でサンプル測定する場合には、背景放射線を再度測定する必要がありません。
ですが、食品などのサンプル測定を行う場所を移動した場合などは、μSv/h で測定した線量率が同じでも背景放射線のスペクトルが変化するため、 再度背景放射線の測定になります。
その他、背景放射線は、天気、測定器の設置場所、屋内の風通し、屋外のガンマ線にも影響されます。 動作条件が変わったときには、背景放射線の再測定を行ってください。
背景放射線の測定 - 保存
背景放射線の測定時間には、時間がかかりますが、できるだけ時間をかけて測定してください。
より長い時間をかけると、「しきい値」の値を低くできます。この値は、食品の放射線を判定できる数字になりますので、この数字が十分に低くなるまで背景放射線の測定を続けてください。
背景放射線の測定中は、「しきい値」の項目を見てください。これが食品などのサンプルを測定する場合に判定できる値になります。
より時間をかけて背景放射線を測定することで、この値を低くできます。たとえば、100 Bq/kg で食品を判定したい場合には、しきい値が100 Bq/kg以下になるまで背景放射線の測定を継続して、100 Bq/kg 以下になった時点で「止める」ボタンで背景放射線の測定を留めてください。
この画面が液晶画面に表示されているときは、背景放射線の測定をいつでも中断できます。
[ はい ] を選択すると、測定値が保存され、メインメニューに戻ります。