PM1401K-3M, PM1401K-3 取扱説明書

α・β・γ+中性子線対応、核種識別マルチサーベイメーター

判定結果の数学的な解釈

基準値以内の場合

放射線測定には、「ばらつき」が伴います。 これは、放射線が出たり出なかったり、という性質を持っているためです。

ある食品に含まれる放射線量が 50 Bq/kg の場合でも、測定器で測定した場合には、こちらの緑色の分布のように、 測定値は、50 Bq/kg を中心として、測るたびに、測定値が異なる可能性があります。

この図で、縦軸は、確率を示しています。50 Bq/kg という測定値をもつ確率が一番高くなっており、 測定値は、左右に分布している形になっています。これは、放射線が出たり出なかったり、という性質を持っているためです。

測定値は、左右へのばらつきの範囲は、標準偏差σで表すことができます。

±1σの範囲であれば、図にもあるように 34.1 + 34.1%で68.2%の確率で測定値が収まる範囲が分かります。 ±2σで 95.4%、±3σで99.6%です。

このように標準偏差σを使うと、確率的に測定値が収まる範囲を知ることができます。PM1401K3M では、95%の範囲を測定結果の「誤差」として表示するように設計されています。

核種識別PM1401K-3M
核種識別PM1401K-3M

例として、今回の測定結果では、測定値が 50Bq/kg 、誤差が±26 Bq/kg になったとします。誤差の上限値は、50+26 = 76 Bq/kg です。誤差の下限値は、50-26 = 24 Bq/kg です。

95%の確率で考えた場合、24~76 Bq/kg の間に今回測定した食品サンプルの放射線量の測定値が95%の確率であることになります。

100 Bq/kg を基準値として考えた場合には、95%の確率で、76 < 100 ということになり、95%の確率で 100 Bq/kg 以下であることを判定したと結論づけることができます。

この場合には、画面には、「クリア」と表示され表示が緑色になるようになっています。一方、測定値+誤差が100を超えている場合には、赤字で表示され、基準値以上と表示されます。