PM1405 取扱説明書

表面汚染・探索サーベイメータ、β線、γ線による汚染調査

ベータ線による放射線測定モード

表面汚染とベータ線

ベータ線は、空気中を1メートルほどしか飛ぶことができません。この性質を利用して、特定の物の表面が、汚染されていないか、調べることができます。PM1405 は、2回の測定を行い、物質表面の汚染度を調べます。

  • 1度目の測定では、β+γ線の両方からの放射線の強さを調べます。物の表面から出ている放射線と、環境中に広く分布しているγ線の両方を調べます。
  • 2度目の測定では、γ線だけの強さを調べます。

この2度の測定の差分をとることで、物質の表面からだけ出ている放射線を測定する仕組みになっています。2度の測定を行うと、左の図のような測定結果になります。

測定結果は、1分間で、1cm x 1cm の面積の中に、何個のβ線が計測されたか、という単位になります。左の図の場合には、5.65/分/cm2 という結果になっています。

ベータ線の測定の手順

表面汚染とベータ線

β線を測定するには、メニューで測定モードを切り替えます。 右ボタンを押して、メニュー「MENU」に入ってください。

表面汚染とベータ線

ベータ線を測定するモード「MESUREMENT β」に、四角形のカーソルを上下ボタンで合わせます。

続いて、右ボタン「SELECT」を押してください。

表面汚染とベータ線

裏面のスクリーンフィルタを開いてくださいというメッセージが表示されます。

次へ「NEXT」ボタン=右ボタンを押します。

表面汚染とベータ線

裏面のスクリーンフィルタを、全開にしてください。

このフィルタは、金属でできています。1度目の測定では、フィルタを開いた状態で行い、β線とγ線が検出器に入っていきます。

2度目の測定では、フィルタを閉じた状態で行い、γ線だけを検出器が受け取る仕組みになっています。差分の計算などは、測定器が自動的に行ってくれます。

表面汚染とベータ線

測定器の裏面フィルタを開いたままで、測定器を物質表面に乗せてください。

次へ「NEXT」ボタン=右ボタンを押します。

表面汚染とベータ線

β+γ線の放射線が、検出器に捕捉された数(カウント数)が、表示されます。単位は、1/秒です。つまり1秒間の間でのカウント数の平均値になります。

このまま1~10分間ほど測定を続け、測定誤差が9%以下になったら、記憶「MEMORY」ボタンを押します。これで、測定器が、β+γ線のカウント数を記憶します。

β線がまったく検出されないような低線量の場所で、測定すると、測定誤差が低くなるまでに時間がかかることがあります。

表面汚染とベータ線

測定誤差が、9%以下になる前に、記憶「MEMORY」ボタンを押すと、左のようなエラーが表示されます。この場合には、測定は、最初からやり直してください。

表面汚染とベータ線

続いて、裏面のスクリーンフィルタを閉じてください、というメッセージが表示されます。測定器を、持ち上げ、裏面のスクリーンフィルタを完全に閉じてください。

次へ「NEXT」ボタン=右ボタンを押します。

表面汚染とベータ線

今度は、測定器の裏面フィルタを閉じたままで、測定器を物質表面に乗せてください。 先ほどと、同じ位置に置くのがよいでしょう。

表面汚染とベータ線

β線測定の結果が表示されます。これで測定は終わりです。

測定単位は、1/分/cm2 です。つまり1分間の間に、1cm x 1cm の面積から放射されているベータ線の捕捉数(カウント数)です。セシウム137で換算した量になっています。

この数字を、測定したい物、それぞれで測定していってください。測定誤差が、15%以下になると、測定結果を、内部メモリに記憶させることができます。ベータ線の量が少ない場合や、背景の放射線量(γ線)の方が強い場合には、測定誤差が、なかなか15%以下にならない場合があります。

15%以下になると、「MEMORY」ボタンで、保存メモリに記憶することができます。

測定結果の E2 って何ですか?

ベータ線測定の結果は、20 といった数字の場合や、30E15.25E3 といった数字になる場合があります。

E3 は、10の3乗、つまり1000倍を示しています。5.25E3 の場合ならば、5.25 × 1000 = 5250 という数値として読み取ってください。

E1 なら「かける10倍」、E2なら「かける100倍」、E3なら「かける1000倍」... となります。

誤差が 99%から、下がらない場合

PM1405 で、線量の高いものを測定した場合には、測定誤差は、順調に下がっていくはずです。線量の低いものを測定すると、測定に5分以上の時間がかかる場合があります。 試しに、お茶とか、乾燥したシイタケなどの上にPM1405を置いて、表面汚染を測定した場合には、時間はかかりますが、物によって数字に違いを見ることができます。

逆に、とてもきれいな机の表面を測る場合では、環境中の放射線量の方が高いか、あるいは汚染がまったく検出できないために、測定誤差が、99%から下がらず、いくら待っても、測定できない場合がありますので、ご注意ください。