ガンマ線を拡張現実ARへリアルタイムに可視化

ARガンマカメラ

LiDar +ARコンプトンカメラ

ガンマカメラ LAMP は、LiDAR・光学カメラ・拡張現実(AR)コンプトン検出器を融合した世界初の AR ガンマカメラ(コンプトンカメラ)です。
高性能の3次元・放射線検出器で放射線の方向を記録、 カメラ映像に放射線情報を重ねてリアルタイムで表示します。

ARコンプトンカメラ

コンプトンカメラは、放射線(ガンマ線)の飛来方向や角度を推定できる特殊な検出器です。

放射線の方向が分かるコンプトンカメラに、光学カメラ、LiDar/SLAM 技術によって3次元空間における自己位置を把握する仕組みを連動させ、空間にどのように放射線が分布しているのかをリアルタイム、つまり測定しながら即座に放射線を可視化します。

実際のカメラ映像に放射線の強度データを重ね合わせた拡張現実ARビューを搭載しており、カメラで周囲を見渡すと放射線量のヒートマップ表示が光学カメラ映像に連動して表示されます。

LiDar+SLAM 自動統合

すべてのデータ解析はすべて自動です。

LiDARはレーザー光で距離を計測し、周囲の3D点群データを取得する技術、これに SLAM(現在の位置情報を重ねる技術)を融合して3D地図を作り上げます。

同時にコンプトンカメラからの放射線の方向情報を重ねることで、放射線の位置・方向・強度分布を移動しながら可視化します。

放射線の強さがリアルタイムに把握できるため、汚染を避けながら効果的な測定を一度の移動で行うことが可能です。

遠隔測定

検出器は、車両、ドローンの搭載に対応できる Wi-Fi/Ethernet 接続に対応。

タブレットで離れた場所からネットワークを経由し、測定データを見られます。

コンプトンカメラはリアルタイムに放射線強度ヒートマップを表示できるため、放射線分布を確認しながらドローンなどの移動方向を調整して高精度なマップをリアルタイムに作成できます。

重量は約4.5kg です。

選べる2タイプ

LAMP-Imagerは、CdZnTe検出器 (H3D社M400i)です。 662 keVでFWHM 1.1%以下の高いエネルギー分解能で光電ピークを高精度で実施できます。AR や LiDar による測定と同時に、線量率測定や核種同定を行います。

LAMP-Mapperは、CLLBC(Ce:LiLaBr:Ce)シンチレーション検出器で、ガンマ線と中性子線を同時に3次元マッピングできます。662keV で FWHM 3%以下の高いエネルギー分解能がありながら高感度な検出器であるため、 CBRNe災害やテロの現場で短時間で3次元マッピングができます。

選べる2タイプ

LAMP-Imager

  • 高分解能3Dガンマ線イメージング
  • 単なる検出を超えた空間的な「見える化」
  • H3D製 高分解能CdZnTe検出器を搭載
  • 回転台不要でコンパクトに高精度イメージング
  • タブレット上でホットスポットをリアルタイムに可視化

LAMP-Mapper

  • ガンマ線+中性子 3Dマッピング
  • デュアル検出により広範囲調査を高速化
  • CLLBC検出器搭載、ガンマ線と中性子を同時に識別
  • コンパクト&軽量(4.5kg以下)でロボット搭載も容易
  • 交換式バッテリー(2.5時間稼働)による継続運用
LAMP-ImagerとLAMP-Mapper

LiDarの点群3Dデータに、コンプトンカメラからの放射線データをマッピング。測定しながらリアルタイムで放射線を可視化できます。

特徴

  • 現場でリアルタイムに3次元・放射線データを可視化(後処理なし)
  • カメラ映像に放射線データを重ね合わせた拡張現実(AR)ビュー表示
  • ロボット、車両、ドローン統合
  • 屋内外、大規模、複雑な環境を迅速にマッピング
  • 外付けGPS追加により測定データと統合
  • データはシステム内に保存(2TB)
  • 測定可能データ
    • スペクトル(エネルギースペクトル)
    • 線量率
    • カウント率
    • 核種識別
    • 3D放射線ヒートマップ
  • Wi-Fi/Ethernet 接続
  • 出力データ形式 : N42.42、KMZ、CSV、PLY
  • IP65 防塵、防水構造で環境密閉、温度校正
  • -40° 〜 50°で使用可能
グラウンドの放射線分布を見える化

上下の画像は、車両に LAMP を搭載して200m 幅のグランドを走行した結果です。

  • 上の画像: LiDar による3次元マップを上からところ
  • 下の画像: 車両の停止位置から拡張現実によりカメラがグランド中央を向いている状態での放射線マップ

放射線マップ作成の様子

LAMP-Imager は、従来のガンマカメラを大きく進化させたガンマ「ビデオ」カメラです。

放射線の方向検出・探知(コンプトンカメラ):飛んでくるガンマ線を一つ一つ捉え、その「方向」を記録します。これにより、どこから放射線が来ているかを特定できます。

3D地形マッピング(LiDAR):レーザーを四方に飛ばして反射光を測定し、周囲の地形を3Dデータとして構築します。

自己位置推定(SLAM技術):移動しながら自分の位置をリアルタイムに推定。これにより3D空間の中でどこにいて、どの方向から放射線が来ているかを地図上に記録します。

得られたデータのすべてをリアルタイムに解析、放射線の強さを解析し、青~赤のヒートマップで表示。単なる静止画ではなく、移動しながら“放射線の動画”として可視化できる点が最大の特長です。移動しながらカメラを通して周囲を見渡すことで、放射線がまさにそこ見える仕組みを実現しています。

拡張現実AR表示。光学カメラを向けた方向の放射線濃度をリアルタイムにマッピングし、 汚染状況を確認しながらドローンの飛行経路を決められます。ドローンで飛行しながら放射線を光学カメラに 拡張現実ARマッピングします。

ロボット・ドローン統合

Spot 四足歩行ロボットはBoston Dynamics社Spotを利用。Spot UI タブレットから直接、LAMP を開始・停止できます。LAMPカメラ映像、AR放射線・仮想現実映像をリアルタイムにタブレットへ配信。

四足歩行ロボットに搭載したLAMP

ドローンはInspired Flight社IF1200Aを利用。高濃度に汚染された施設を上空から撮影し、被ばくを避けながら広域を効率的にスキャンできます。UAV GPSデータを活用した LAMP GPSマップを作成。

ドローンに搭載したLAMP

こちらは撮影後の後処理画像。高性能LiDARにより、複雑な地形でも高解像度3D放射線マップを作成可能です。作成したマップは保存や転送が可能です。

マッピング・データ管理

リアルタイム3D放射線マッピング:LiDARマップと放射線データを自動統合

スナップショット機能:測定中にデータを保存・再表示可能

データ保存と転送:内部保存後、ダウンロード・再解析が可能(PLY/CSV/KMZ/N42/HDF5形式)

UI機能:放射線データのフィルタリング、HDR表示、ホットスポット強調表示

放射線測定機能

核種識別、カウントレート、線量率測定

3D空間上での局在化(放射線源の位置推定)

中性子マッピング(オプション対応)

カメラ・AR機能

内蔵カメラによるライブ映像取得

映像上に放射線源の位置を ARオーバーレイ表示

運用柔軟性

モード切替:通常(LIDAR+SLAM)、UAV搭載用モード

低帯域対策:表示点群数の削減、データ再送制御により狭帯域環境でも利用可能

Wi-Fi通信:タブレットやPCブラウザでリアルタイム表示

電源・稼働時間

交換式リチウムイオン電池で駆動(通常1.5時間)

バッテリーを交換中に外部電源に接続すればバッテリーも連続交換可能

ACアダプタによる外部電源利用にも対応

ドローンにより上空から測定した結果。上空から測定を行うことで、放射線汚染を避けることが可能です。飛行しながらリアルタイムに放射線を可視化できます。

線量率と放射線スペクトルの表示

カメラ映像の右下には、線量率と放射線スペクトルが表示されます。また、放射線スペクトルから識別された核種も表示されます。

カメラ映像の録画と同時に放射線の変化が記録されます。時間表示バーを動かすことで過去のデータを確認することも可能です。位置情報

放射線の時間推移と放射線スペクトラム

ドローンにより上空から測定した結果。放射線の濃度を立体的に可視化できます。

カタログ ARガンマカメラ LAMP - 3D 放射線マッピングシステムのカタログ・ダウンロード

ARガンマ・ビデオカメラ LAMP

  • 寸法

    LAMP-Imager
    • 約 24.1 cm × 12.1 cm × 31.8 cm
  • 写真(LAMP-Imager)

    Gamma Reality LAMP-Imager
  • 検出器

    LAMP-Imager
    • H3D社製M400i 約19cm³ CdZnTe ガンマ線の可視化
    • 662 keVで ≤1.1% FWHMの分解能
  • 放射線マッピング分解能

    LAMP-Imager
    • 約0.2 m 空間分解能(距離1 m時)
  • 寸法

    LAMP-Mapper
    • 約 20.3 cm × 11.4 cm × 31.8 cm
  • 写真(LAMP-Mapper)

    Gamma Reality LAMP-Mapper
  • 検出器

    LAMP-Mapper
    • 約98cm³ CLLBC結晶 ガンマ線および中性子の可視化
    • 662 keVで <3.7% のエネルギー分解能
  • 放射線マッピング分解能

    LAMP-Mapper
    • 約1 m 空間分解能(距離1 m時)
  • 重量

    約4.6kg
  • LiDar

    Class I レーザー
  • センサー

    LiDARおよびカメラ、GPS(外部USB対応)
  • バッテリー駆動時間

    約2時間(交換式バッテリー)
  • データ容量

    2 TB 内蔵ストレージ
  • ロボット統合

    ロボット、有人車両、CBRNプラットフォームなどへの統合サポート
  • 放射線データ

    • スペクトル測定(エネルギースペクトル)
    • 線量率
    • カウント率
    • 核種識別
    • 3D放射線ヒートマップ
  • インターフェース

    Wi-Fi、Ethernet、有線接続
  • データ出力形式

    N42.42、KMZ、CSV、PLY
  • 防塵・防水規格

    IP65
  • 動作温度

    -40℃ ~ 50℃
  • ダウンロード